FC2ブログ
 

みんなみすべくきたすべく

クライドルフ展

              スカビオサ・ルキダとカンパヌラ・ロンボイダリスj
 やっぱり、原画でしょう。ははは・・・行ってきましたよ。またもや弾丸東京ツアーでした。かきつばた弾丸ツアーから、もう2カ月以上たったし・・・? 誘ってもらえる時がご縁と解釈し、行ってきました。ははは・・・

 なんとかして、原画を見たかったのは、「エルンスト・クライドルフの世界―スイス絵本のよあけ―」(小さな絵本美術館)に、こんなことが書いてあったからでした。
≪クライドルフのあの精緻な挿絵の表現は、彼の大理石を使いこなす製版技法と、印刷経験に秀でた職人の鋭い感覚が一体化した手仕事の粋です。したがって、クライドルフの絵本がスクリーンプロセスによる製版に置き換えられると、絵肌が変わって透明感と深見がなくなり、線も色もメルヘンを語らなくなります。いわば、似て非なる複製絵本になってしまいます。現在の絵本の大量生産の時代にあって、クライドルフの絵本の美しさを再現することは至難の業です・・・≫
 と、現在福音館書店相談役の松居直氏が脱帽したのです。

 クライドフが石版画に並々ならぬ労力を注ぎ、そこから生まれた100年以上前の美しい絵本たち。
 よくよく観察された本物の花や蝶などは、擬人化されているものの、「媚び」や嘘っぽさがありません。それは、花の様子だけでなく、葉の様子、あるいは、生えている場所の特徴などもつかんで、丁寧に描かれ、擬人化されているからです。蝶や虫たちも、多分同じことが言えるのだと思います。しかも、その花の種類たるや、素人の私には、数えきれません。

 自然を愛し、自然と向き合うことができる画家だったのだとわかります。特に、それを感じたのは、絵本の花や虫を描いている作品からでした。小さな生き物たちに、いのちを与え、それぞれが、その他大勢として描かれていないのです。生き生きと楽しんで描いているのが、見ている者に伝わってきます。そして、一つの花、一匹の虫、それぞれを丹念に見ていくと、思わず笑みがこぼれます。
 油絵や、自然以外のテーマの作品もありましたが、精彩さを欠くような気がします。
 クライドルフは、小さな生き物が、好きだったんだ・・・

 そして、この展覧会では、花の絵の横に、(すべてではありませんが)、実際のアルプスの花の写真が、説明とともに貼ってあって、絵を見る楽しみをより大きくしてくれました。
 それにまた、先日、見に行った「KATAGAMI展」とも繋がるところもあり、行ってよかった「クライドルフ展」でした。
(「クライドルフの絵本」に続く)

☆この「クライドルフ展」は、東京の後、郡山、富山、横浜と2013年の2月まで巡回するようです。
☆写真は、スイス・グリンデルワルト付近、左カンパヌラ・ロンボイダリス(キキョウ科)、右スカビオサ・ルキダ(マツムシソウ科)

PageTop