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チャールズ・ラム伝

ダリア6
 2か月以上も前に見た映画「ガーンジー島の読書会の秘密」から始まった➡➡、チャールズ・ラムの周りをうろうろの読書でしたが、福原麟太郎「チャールズ・ラム伝」(講談社文芸文庫)が、一番読みやすく、一番、楽しかった。

 翻訳された「エリア随筆抄」(チャールズ・ラム 山内義雄訳 みすず書房)よりも?翻訳された「シェイクスピア物語」(チャールズ・ラム メアリ・ラム 矢川澄子訳 アーサー・ラッカム絵 岩波少年文庫)よりも?あるいは、チャールズ・ラムの足跡をたどった芥川賞作家の「陽気なクラウン・オフィス・ロウ」(庄野潤三  講談社文芸文庫)よりも?

 YES. 
 もしも、先に「チャールズ・ラム伝」から読んでいたなら、個人的には、「エリア随筆」も、さらに楽しめたかもしれないと思います。「チャールズ・ラム伝」には、エリア随筆全編のあらすじが紹介されていますが、邦訳の「シェイクスピア物語」のダイジェストより、エリア随筆を実際に手に取ってみたいと思わせる文章なのです。
 ただ、なんで、福原麟太郎自身の訳がないの?と思っていますが・・・

 「チャールズ・ラム伝」は、チャールズ・ラムを愛してはいるけれど、客観的な視点を忘れず、チャールズ・ラムを紹介しているところが、好感が持てる点なのだと思います。もちろん、日本語の文体に無理がなく、美しい。

 後書きの「人と作品」という吉田健一の書いた文章に、しっかりとそのことが書かれています。
≪福原さんの今度の『チャールズ・ラム伝』の話ですが、一番初めに言っておいて、それで実はすべてが済むことですが、何十年めかに久し振りで現れた日本語で書いた名著と言えることです。同時に、『チャールズ・ラム伝』の、私が知っている限り、今までの決定版でもあります。≫
≪福原さんとラムという人間の結びつき、これが非常に克明に、しかも友情こまやかに――もちろん死んだ人間と生きた人間との間に友情というものがあるならば――働いているのです。それが名著である鍵であります。≫

☆写真は、スイス モルジュのダリア

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