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ペルシャの糸杉

糸杉
(承前)「王書—-古代ペルシャの神話・伝説」(フェルドウスィ―作 岡田恵美子訳 岩波文庫) 
「王書」には、何度も「糸杉」が出てきます。今まで、読んだどんな本より、たくさん出てきます。
 三人兄弟➡➡のところで、紹介したように、イラン王国の王座についた三男のイーラジの妻の名前はサヒー(健やかな糸杉
 「王書」の中の糸杉は、ただ背の高い形容だけでなく、品格までも含んでいるように思います。

たとえば、
*蛇王ザッハーク王(在位1000年)の夢では、王者の木から突然3人の勇者が現れます。それは、二人の年長者を両脇にしたがえた一人の若者で、身丈は糸杉のように高く健やか、そして王者の風貌をしている。

*フェリドゥ―ン王(在位300年)は、すこやかな糸杉のように丈高く、王者の威光に輝き・・・

*イエメンの王は多数の人民の首長、その影をひろく遠くおとす糸杉である。

*一人は麗しの娘ルーダーベ、もう一人は分別も愛情もある妻のスィーンドフトである。二人とも春の花、頭から足の先まで色と香と絵のような美しさにあふれる装いをこらしているが・・・父王は娘ルーダーベのまえで立止まり、その美しさに驚いて彼女の上に神の祝福あれと祈った。糸杉の身丈に月の顔をおいた姿を父は見たのだが、その頭には竜涎香の冠(漆黒の髪)を戴き、それはさながら天国のように美しく錦と宝石で飾られている。

*侍女のうち一人が続ける。「おお、糸杉のようなお方、誰にもこのことを知られないように気をつけてください。・・・」

*それまで稔りのなかった糸杉が実を結ぶまでに、さほどの時はながれなかった。
伸びやかな糸杉の葉が枯れた
*白銀の糸杉の美女

*背丈が八尺、伸びやかな糸杉ほどになると彼はまるで天に輝く星かと見えるほどで、世の人びとは彼を見上げてただただ感嘆のほかはない。

糸杉の身丈に勇者の肩と項をしたザールの子が座っていた。

*サマンガ―ンの王は司教の言葉を聞くと、その喜びに気高い糸杉のように伸びやかにくつろいだ。

・・・・・が、個人的には、「糸杉」といえば、ゴッホが描いた何枚かの「糸杉」が、頭に浮かぶのものの、この「王書」で示すところの糸杉のイメージと少々違う。
 なので、「英米文学植物民俗誌」で、糸杉を引いて見ましたよ。(続く)

☆写真は、ゴッホ「男たちの歩いている道≪星と糸杉≫」(岩波世界の巨匠「ゴッホ」)

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