FC2ブログ
 

みんなみすべくきたすべく

王書

   ペルシャ12
(承前)
「王書—-古代ペルシャの神話・伝説」(フェルドウスィ―作 岡田恵美子訳 岩波文庫)の解説(岡田恵美子)は、ペルシャのことをよく知らなかった者にとって、勉強になる事ばかりでした。

先の悪魔に文字を教えてもらう件➡➡は、
ペルシャ(イラン)が、ヨーロッパとアジアをつなぐ位置であり、イスラム教のアラブとも近い。したがって、≪「王書」をはじめ、そのほかのペルシャ文学の作品を読むとき、その複雑多彩な人種の共存・混淆があったことを私たちは知らなければならない≫とあります。

 その解説に書いてあるペルシャの歴史の概観をさらに概括すると、
 紀元前6世紀にアケメネス朝が興る。紀元前330年アレクサンダー大王の東進で崩壊。その死後、広大な領域は分断。ついで、中央アジア起源のパルティア人が領有、その王国は期限後3世紀まで続く。226年ササーン朝ペルシャー成立。古代ペルシャの宗教ゾロアスター教を国教と定める。651年イスラム教のアラブ人の攻撃で王朝崩壊。ゾロアスターからイスラムへの改宗、アラビア文字の使用を推進。以降、中世ペルシャには、トルコ・モンゴルの異民族王朝が興亡。
(*ただし、このトルコは、現在のトルコではなく、ペルシャの東方のトゥーラーン)
(*ゾロアスター教僧侶や、社会上層部は、パフラビー語を使用。読み書きのできない一般民衆は、口語としてのペルシャ語、そこへ征服者のアラビア語・・・・)

 そんな背景を持つペルシャの文化。訳者はいいます。
≪ペルシャ人の社会生活に底流する、この国際性が、この国の中世叙事詩に独特の味わいを添えていると思われる。・・・≫

 そして、この「王書」は、1009-10年了とされていて、作者のフェルドウスィ―(934?~1025?)の生涯を詳しく知る事もできないものの、この「王書」には、30年から35年の労苦を要したという記述はあるようです。日本では、「源氏物語」(1005年頃)の時代です。(続く)

☆写真は、スイス オーバーホーヘン城、ちょっと、オリエンタルな趣味の部屋。

PageTop