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みんなみすべくきたすべく

もろもろの花は地にあらはれ 

  クロッカス11j

岩波文庫 春の復刊(2019年2月)には、面白いものが多くて、たくさん購入しました。電車用の薄いものから、上下巻のもの、ノンフィクション・・・

さて、その中に「自然美と其驚異」(ジョン・ラバック著 板倉勝忠訳)(The Beauties of Nature and the Wonders of the World We Live in 1892)という1冊がありました。
カ・リ・リ・ロにしたら、珍しく手にした、ノンフィクションの文庫ですが、タイトルに惹かれ、読みだすと、これが、結構、読み進める。

というのも、自然科学書とも言えるのですが、詩の引用もしながら、庭の良さを提唱し、花に詳しく、虫や動物に話を進めていきます。

まず、第一章序論のその最初から惹き込まれました。
≪吾等の棲息する世界は燦爛たる神仙境(フェアリーランド)であり、吾等の「存在」はそれ自身一の奇蹟であるにも拘はらず、身邊を繞る幾多の美しい乃至不可思議な現象を能く樂しむ人は稀である。況して、充分にそれを味はひつくすものは絶えてない。偉大な旅行家に長壽をかして見ても足跡の及ぶところは地上の眇乎たる一小部分に過ぎない。それも僅か眼前の一小部分に止まる。人間の眼に入るところも何と貧しいものではないか。由來眼の向くところは多くは心の欲するところで、天(そら)を仰ぐのは、先づ雨を氣にするやうな時だけだ。同じ田野でも、農夫なら収穫、地質學者なら化石、植物學者なら花卉、畫家なら色彩、遊獵家なら鳥獣の隱れがといふ風に、各々着眼點を異にする。胴一物を眺めたとて、必ず誰の眼にもそれが同じに見えるとは限らない。
シャトーブリアンも「自然の美しさは見る人の心境にある」と言つた。≫

とまあ、読めない漢字も多い中、ワーズワス、シェリー、ラスキン、などなどの詩が引用されていきます。

そして、春は普く人の心を浮き立たせる。とし、ソロモンの雅歌
≪視よ。冬すでに過ぎ雨もやみて はやさりぬ。もろもろの花は地にあらはれ 鳥のさへづる時すでに至り ・・・・・≫
(後半部続く。のですが、ちょっと寄り道して続けます。)
☆写真は、英国 ハンプトンコート

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