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みんなみすべくきたすべく

湖水地方のネコたち(補)

グロースター12
(承前)
 英国 湖水地方から遠く離れたグロースターにも、忘れられない猫がいます。他のネコのように主役級ではありませんが、このネコの登場が、話に膨らみを持たせています。➡➡
『グロースターの仕たて屋』(ビアトリクス・ポター作絵・石井桃子訳 福音館)

昔、グロースターの町に貧しい仕たて屋が住んでいました。もうすぐクリスマスという日、市長さんから上着とチョッキの注文がはいります。➡➡

仕事に疲れ切った仕立て屋は、家の切り盛りをする飼い猫のシンプキンに、買い物を頼みます。
≪シンプシキン、わしらにも 金がはいるかもしれん。だが、わしは もうくたくただ。この4ペンス銀貨を もっていけ。(わしらのさいごの4ペンスだ)それから、ミルクいれも もっていけ。そして、パンを1ペンスに、ミルクを1ペンス、ソーセージを1ペンス、かうのだぞ。そうだ、それから シンプキンよ、さいごの1ペンスで べにいろのあな糸をかってこい。その1ペンスをなくすなよ。さもないと わしはおしまいだ。くたくたにつかれて、あな糸をかう金は、もうないのだから。≫
ボタン穴をかがる、あな糸が少し足りなかったのです。

 ところが、雪の中、買い物から帰ってきたシンプキンは、ネズミを食べられなかった腹いせに あな糸を仕立て屋に渡しませんでした。そして、そのあと、3日のあいだ、仕立て屋は熱を出し病気になり、眠ってしまいます。
 さて、仕立て屋の代わりに、市長の服を仕上げたのは?
 出来上がった服のボタン・ホールのかがり目は、細かくてーまるで、小さなねずみが刺したように見えたようです。

グロースター2j

 この結末には、悔い改めた猫のシンプキンの存在があります。この悔い改めたシンプキンは、ポターの絵にも描かれていますし、文章にも。
≪仕立て屋が ベッドから出て、ふくをきた。外には、日がかがやいていた。仕立て屋が、おもてに出ると、シンプキンは 先にたって、はしっていった。≫
☆写真は、英国 グロースター。 グロースターの仕立て屋の舞台になったお店の2階に展示してあるグロースターの仕立て屋とネズミが仕上げたチョッキ(の、レプリカ)。

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