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蠅の王

ニーゼン12
(承前)
 スティーヴン・キング➡➡  ⇒⇒が序文を書いたという「蠅の王」(ウィリアム・ゴールディング 黒原敏行訳 ハヤカワepi文庫)です。スティーヴン・キングは、このノーベル文学賞作家ウィリアム・ゴールディングの作品の大ファンで、ペンギンブックス版の序文を書いたようです。また、「蠅の王」は、スティーヴン・キング自身の作品にも大きく影響を与えているようです。(参考:訳者あとがきより)

 今回、「蠅の王」を読了したのは、たまたま2つの縁があったからです。
 まず、その一つ目。
 スティーヴン・キングの一連の恐怖シリーズが、少年たち(人間)の深い心の闇を描いていた描いていたことは、すでに書きましたが、それが、「蠅の王」の影響があるとされるなら、やっぱり、「蠅の王」も読んでみなくちゃ・・・
 ということで、読んでみると、「スタンドバイミー」や「ゴールデンボーイ」と 時代や背景は違うものの、心の闇を巧みに描き、同じく、一気に読ませる力のある話でした。

 南太平洋の無人島に不時着した少年たちの話です。当初は、大人の居ない楽園だった島の生活が、次第に、対立を呼び、どろどろした陰惨なものになっていき、「生きる」という根源の問題に突き当たっていく・・・
 無人島に漂着した話なら、「十五少年漂流記」(「二年間の休暇」 ジュール・ベルヌ 朝倉剛翻訳 福音館古典シリーズ・福音館文庫)がありますが、ジュール・ベルヌの描いた話とは、正反対ともいうべき、悲惨な無人島生活の話が「蠅の王」です。

 話には、極度に視力の弱い少年が登場します。その子の眼鏡は、火をおこす時に、重要な役割を果たしています。つまり、生きていくために必要な火です。・・・となると、「スタンド・バイ・ミー」にも「夏の庭」にも出てきた分厚い眼鏡の男の子たちより、さらに必然性のある設定です。
 「生き延びる」というテーマを考えるなら、この小道具にしか過ぎないような眼鏡も、大きな役割を担います。
 ・・・・ということで、さすがに、後世の作品に影響をもたらしたノーベル賞作家の代表作と言われる「蠅の王」は、後味は悪いものの、面白い作品なのでした。

 さて、タイトルの「蠅の王」は、聖書に登場する悪霊ベルゼブブのことであり、この作品では 蠅のたかる野生の豚の生首のことを称しています。つまり、「食する」 すなわち、「生きる」「いのち」につながる生首です。
 それで、ベルゼブブ?ん?どこかで耳にした・・・ということで、もう一つの縁に続きます。

☆写真は、スイス ニーセン山 ➡➡ニーダーホルンに上るケーブルカーから写しました。

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