FC2ブログ
 

みんなみすべくきたすべく

かにかくに

kanikakuni.jpg
(承前)
 「五足の靴」➡➡を履いていた一人の吉井勇の「吉井勇全歌集」(中公文庫)を、読んでみました。
 一つ一つの歌はわかりやすい言葉で歌われています。特に若い頃は、艶っぽい歌も多い。
 そして、一つ一つは歌なのに、通しで読むと、ひと夏の恋、その心情の連なり、動き・・・こんな書き方は、それまでの日本文学の中で見当たらないから、若き堀口大學の心に衝撃と希望を与えたのだと思われます。(このことについては、のちほど)

 そんな吉井勇の特に有名な歌というのがあるらしく、それがかの祇園を歌ったもので「酒ほがひ」に入っています。
「かにかくに 祇園はこひし 寝(水)ぬ)るときも 枕のしたを 水のながるる」で、その碑が京都、祇園白川にあり、なんと、本日11月8日は、その碑を詣でに、祇園のお姐さんたちがやってくる「かにかくに祭り」。この歌碑の発起人がまた凄い、里見弴、谷崎潤一郎、志賀直哉、堂本印象、井上八千代、湯川秀樹・・・・・・

 今や、昼間の祇園は、外国人客で溢れていますが、大昔、学生の頃、祇園花見小路を四条通から見るだけでも「子どもの見るもんやおへん」的な空気が漂い、実際、昼間は、人が歩いていなかった…その後、何年か前に始めた古筆のお稽古が当初、以前お茶屋さんだった二階だったこともあり、祇園の明るい時間に歩くことができるようになりました。 また、この碑のある祇園白川の辺りは、花見小路より、まだ少し、観光客が少ないように思います。

 さて、この写真を撮った日(日曜)、京都の街で、日常の着物姿の舞妓さん同伴の男性を複数お見掛けししました。
 そのうちの一組。お連れの男性は、少々横柄な態度でお店(クラシック音楽の流れる町屋を改造した小さなカフェ)に入ってこられました。が、すぐ後から入ってこられたお連れの舞妓さんの不満げなお顔。苛立っているご様子で奥のソファに座られました。ドスン!
 吉井勇が「祇園歌集」で歌ったような≪叱られてかなしきときは円山に泣きにゆくなりをさな舞姫≫とは、少々、違ったご様子の現代の舞姫でした。(続く)

 *「かにかくに」・・・何かにつけて とにかくも 
 *「酒ほがひ」→「酒祝ひ」「酒寿ひ」
kanikakuni2.jpg

PageTop