だらだら続いたスイス報告2018も、終わりです。スイスで風に吹かれ、ゆっくりした時間を過ごし疲労は回復。
スイスに出かける寸前まで、雑用に追われる日々。思考力低下、バタンキューという言葉がぴったりの日々。判断力も鈍り、怪我をしたり、忘れ物や失せ物や・・・誤字や脱字や・・・
帰国して教文館という銀座の真ん中にある子どもの本屋さんが出版している 「メディアにむしばまれる子どもたち――小児科医からのメッセージ」(田澤雄作 教文館)という本を読んで、納得です。こんなばあばでも、前頭葉が疲れていたと思われます。
もちろん、この本は、現代の子ども事情を伝えるショッキングともいえる内容です。大人のことを直接書いているわけではありません。タイトル通りです。が、心身が疲労していくとどうなるかを、体得していたカ・リ・リ・ロには、よくわかる内容といえました。
刺激の強いメディアに侵されている子どもたちの危ない状況は、後頭葉への刺激が強すぎて、判断力や思考力、推理力等などのもととなる前頭葉の疲れを呼び、慢性疲労となり、それが、いわゆる「キレる」子どもたちにつながっているのではないか(否、つながっている)というのが、この本の大きな骨子です。
また、序文にあたる「この本の誕生のいきさつ」という斎藤淳夫の文の中に≪・・・私たちもまた、便利さと豊かさのみを求めてつっぱしってきた日本の高度成長のもとで、さまざまな要因が重なり合い、子どもたちの心をゆがめてきたにはちがいないけれども、その中で、どうやらメディアが最も激しく、直接的に、子どもたちを追い詰めているのではないか、人間の成長にもっとも大切な五官(目、耳、鼻、舌、皮膚)の感覚をひどく損なっているものがメディアなのではあるまいかと感じていたのです。・・・・≫とあります。
ほんとうに小さな子どもがゲーム機を離さず、スマホやタブレットで動画を見ている状態を見かけることの多い昨今、子どもに関わる人みんなに、読んでほしいと思うものの、特に読んでほしい大人はきっと読まないだろうなあと思いつつ、せめて、目次からでも気になってもらえればと思い、書きます。
Ⅰ 笑顔が希薄になった子どもたち
第1章 子どもの描く絵からわかること
第2章 「まなざし」が赤ちゃんを育てる
第3章 小児科外来にやってくる子どもたち
Ⅱ子どもたちの叫び声が聞こえていますか?
第4章 子どもの慢性疲労について
第5章 子どもを「へとへと」にしているものは何か?
第6章 映像メディアは子どもの脳にどんな影響を与えているか
第7章 ヘビー・ユーザーと「大人になれない子ども」
第8章 ゆがめられた子どもの心
第9章 暴力的な事件の背景にあるもの
第10章 最恐メディア「スマートフォン」
Ⅲ取り戻そう!感動あふれる子どもの世界
第11章 いまこそ大人の意識改革が求めれる時
第12章 子どもの本当の幸せのために
☆写真は、スイス ブリエンツ湖