FC2ブログ
 

みんなみすべくきたすべく

サフォ

       マルモッタンj
(承前)
 昨夏から、ドーデ―の短編・長編など、続けて読んだ中に「サフォーパリ風俗」(ドーデ 朝倉季雄訳 岩波文庫)もありました。
 田舎出身の純朴な美青年と、したたかな娼婦の話。落ちていきます。この青年。
 そういえば、この手の話には、「マノン・レスコー」➡➡がありましたね。
 面白いと言えば、面白いのですが、どれもいっしょくたになりそうな、パリの情に溺れる近代小説の一つです。

 ただ、ドーデ―独自のユーモアを感じるのは、彼は、お伽話を身体の中にたくさん持っているのではないかと思わせる場面が、この「サフォ」にも、他の作品にも散見できます。例えば、かの「プチ・ショーズ」では、田園詩劇の朗読と称して一編の「青い蝶の冒険」という寓話を挿話しています。

 そこで、「サフォ」にあったのが、
≪彼女は、クリシー通りで、素晴らしい寝臺の出物を見つけた。それは新しいといってもいいくらいの品で。鬼の七人娘(ペローの童話『拇指小僧』参照)を並んで寝かせることができそうなほど大きかった。≫という表現です。

そうです。なんと、娼婦が選ぶベッドの豪華さと鬼の七人娘のベッドとを繋げてしまうあたり、かなり意味深でもあり、意図的に緩めているとも取れ、面白いと思います。

が、しかし、おやゆび小僧の話に鬼の7人娘なんか出てきたっけ?と思った人は、グリムの親指小僧のお話をよく知っている人。
実は、おやゆび小僧の話が、背丈の小さい男の子が活躍する話だと、わかっていても、フランスのペローのものとドイツのグリムのものでは、ずいぶん違うお話なのです。(続く)
☆写真はパリ、マルモッタン美術館

PageTop