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みんなみすべくきたすべく

犬のジェニー

ジェニーjj
「ふふふん へへへん ぽん!-きっといいこと きっとあるー」(モーリス・センダック作 じんぐうてるお訳 冨山房)です。

「はじめ、ジェニーには なにもかも そろっていました。2かいには まるい まくらが、1かいには しかくい まくらが ありました。くしが ひとつと ブラシが ひとつ、のみぐすりが ふたつ、めぐすりが ひとつ、みみの くすりが ひとつ、たいおんけい 1ぽん、それから さむいときに きる あかい けいとの セーターが 1まい。そとを ながめる まどが ふたつ。しょくじの おわんが ふたつ。かわいがってくれる ごしゅじんも いました」で始まるこの本。

 何でもそろっているということは、こんなに質素で有難いことなのか・・・と、小さい子どもなら思いませんが、大人の読者なら、感じるところがあるかもしれません。
 そして、ジェニーは「なにもかも そろっているよりも もっと いいこと きっと ある!」と、家を出ていきます。
 ここからは、波乱の人生(?)とはいえ、さいごは、舞台女優(?)になるジェニーの物語。

 センダックが彼の愛犬シーリハムテリアのジェニーを主人公をに描いただけあって、ジェニーの風情は魅力的なものです。それに、その不安だとか悲しみだとかを、センダックは、夜の風景や、陰の様子で表現し、実は、深い1冊になっているものの、最後は、コミカルな描き方で、肩の力を抜きます。

 初めは、わけがわからない長いお話だと思っていた子どもたちも、その何が起るかわからない人生に引き込まれていき、マザーグースの言葉を使って生まれたこの本、神宮輝夫のリズミカルな訳で楽しめます。

 が、しかし、もしかして、なんだか楽しめないなと思う人ならば、ぱらぱらとこの本を繰っていけば、丁寧に描かれたジェニーの画集を楽しむことになると思います。
 上の写真は、ブックカーバーを取った中にしかない、ジェニーの肖像。実は、この絵本、布張りで、丁寧な造り。センダックのジェニーへの思いを感じます。

 センダック」の犬の絵本には、漫画のコマ割りのような「子いぬのかいかたしってるかい?」 (マシュー・マーゴリス&モーリスセンダック作& モーリス・センダック絵 山下明夫訳 偕成社)もあります。

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