みんなみすべくきたすべく

ベルナール宛

ベルナールj
(承前)
 「ゴッホの手紙」は3冊からなっていて、一巻目(上)はゴッホから、ベルナール宛のものです。ベルナールの作品(「ポンタヴェンの市場」)は、東京都美術館「ゴッホ展ーー巡りゆく日本の夢」展(~2018年1月8日 )➡➡、京都国立近代美術館(2018年~3月4日)➡➡ にも、来ていました。

 ベルナールは、ゴッホと、同時代の画家仲間の一人で、ゴーギャンとも一時、親しかった人です。
 三巻読了すると、このベルナール宛のものが、他の弟テオ宛てのものとちょっと様子が違うのが分かります。
 片や身内ということ、片や仲間=ライバルでもあることから、やはり、論じる方に近いものとなっています。もちろん、その分量も違い、ベルナール宛という岩波文庫上巻は、ゴッホからの手紙(22通)より、ベルナールがそれを編集した時の序文などに半分が割かれ、ゴッホの手紙とベルナールの芸術論といった様相です。
 
 ベルナールの書いた言葉には、いつくかの印象に残るものがありました。例えば、
≪学ぶとは、「物をみる」謂であり、「ものを観る」とは、美しいものを毎日解体してゆくことである。というのは、ものをよりよく見つめれば見つめるほど、今まで無邪気に眺めていたものの姿は消え、それは人間の貴い智慧と入れかわるからである。≫
・・・・個人的に、わかったような気がするのは、学ぶとは「物をみる」謂(いい)であるというところだけかもしれませんが、この絶妙な訳➡➡が、そのあと、3巻読み通す原動力になったような気がします。(続く)

*「ゴッホの手紙 上 ベルナール宛」(エミル・ベルナール編 硲伊之助訳 岩波文庫)
*「ゴッホの手紙 中・下 テオドル宛」(J.v.ゴッホ・ボンゲル編 硲伊之助訳 岩波文庫)
☆写真は、ゴッホがベルナールとゴーギャンに、それぞれの肖像画を描くように依頼したものの、できたのは、それぞれの自画像で、壁に相手の肖像画が掛かっています。なので、左がエミール・ベルナールの自画像で、中央の肖像画はゴーギャン。
 

PageTop