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映画「ゴッホ最期の手紙」

ゴッホ8j
(承前)
 東京都美術館の「ゴッホ --巡りゆく日本の夢」(~2018年1月8日)を見る前に、この映画「ゴッホ 最期の手紙」を観ていたら、絵画鑑賞する目も違っていたことだろうと思います。

 油絵風のアニメーションでできた映画でした。実写の部分もあったような気がするのは錯覚らしく、全編アニメーションといい、その出来栄えは見事。アニメーションにありがちな、薄っぺらな感じでなかったのは、油絵風だったからでしょうか。それとも、実写を油絵風にするという、しんどい作業から生まれたからでしょうか。
 一つの例をあげるなら、写真右のゴッホの肖像画に、うねうねと描かれた背景がありますね。そのうねうねが動き出すとともに、ゴッホも動き出すという仕掛け。

 話は、郵便配達人ジョゼフ・ルーランの息子が、父の友人で自殺したゴッホが弟テオに宛てた最後の手紙を託され、パリへと向かうものの、テオはすでに亡く・・・・・・それで、ゴッホの最期をたどるうちに、その死因が、本当に自殺だったのかと疑問が湧いていき、ゴッホの生前の人となりを追うとともに、その謎に迫ろうとするミステリータッチ。
 久々に面白い映画でした。

 見たことのある絵が次々と動き出し、自然な形で、風景となり、肖像画として見たことのある人物が、次々と、話し始め、動き始める。ずっと昔に見たひまわりが一面に咲いていたゴッホとゴーギャンの実写の映画より、ずっとリアリティがあって、画家の本質に迫るものがあると思いました。(続く)

 ☆写真右は、ゴッホ自画像(1889年)「世界の巨匠 ゴッホ」(ウィリアム・フィーヴァー 水沢勉訳 岩波)、左は、麦わら帽子をかぶった自画像「ゴッホの手紙」(エミル・ベルナール編 硲伊之助訳 岩波文庫)

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