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しゅっぱつ しんこう!

 しゅっぱつしんこうj
「しゅっぱつ しんこう!」(山本忠敬さく 福音館)

この絵本のことを書くのは、30年以上ぶりかもしれません。今や、30代半ばを過ぎた長男が、大好きだった絵本です。うちのは、子どものとも年少版のペーパーバックですから、ボロボロもボロボロ。
 
 「しゅっぱつしんこう!」はおかあさんとみよちゃんが、特急列車に乗って、急行列車に乗り換えて、普通列車に乗り換えて、おじいさんの家に行く話です。新幹線さえ出てきません。自動改札でもなく、みよちゃんが手渡しで、改札の駅員さんに切符を見せて駅にはいるところから始まっています。うちは、当時、自家用車ではなく、電車利用だったということも大きな関心につながっていたかもしれません。

 さて、先日、同じ福音館こどものともの新刊で、ロンドン二階建てバスを扱ったペーパーバックが出版されたとき、この30年以上の年月を思い、「隔世の感」があるなぁ・・・と、思いました。絵本のなかの街は、ロンドンという、異国の地。おとうさんとおでかけに二階建てバス。乗車は、カードをかざし、「チケットプリーズ」と車掌さんが回ってくると、マシーンにカードをかざします。ロンドン市内観光の雰囲気も漂う絵本です。

 そこで、その「隔世の感」の新刊を長男に見せますと、「これって、ただ乗ってるだけのお客さんやん」と言います。確かに、カードをかざし、窓から見えるものを楽しみ、日本ではほとんど見ることのない赤い二階建てバスに乗っているお客さんの男の子とお父さん。
 長男は続けます。「これより『しゅっぱつ しんこう!』やろ。あれは、いい絵本や。自分が運転手のような気分になれる。」「あの『出発 進行!』という言葉がええねん」

 確かに…英国の二階建てバスの二階の一番前の席は、眺めも良くわくわくするスペースです。が、子どもは、移り変わる景色より、乗り物そのものが、一番の関心事なのだと思います。
  
 うちでは、長男以外の二人の女の子は、長男ほど、この「しゅっぱつ しんこう!」を読んでいなかったような気がします。男の子は乗り物好きやからね、長男は保育所に電車で通っていたからねなどと、勝手に思い込んでいました。

 ところが、孫の女の子、この「しゅっぱつ しんこう!」が大好きなのです。何度も読めとせがみます。特に、「出発進行!」と文の中で3度繰り返すのですが、その度に、小さなこぶしをあげ、「しんこー!」と言います。自家用車移動で電車をほとんど利用したことのない子が、「しゅっぱつ しんこう!」の絵本を楽しむのです。

 おじさん(長男)がいうように「出発進行!」という言葉の臨場感。それを楽しんでいるかのようです。(続く)
☆写真は、「きゅうこうれっしゃ しゅっぱつしんこう!」のところで、こぶしをあげています。

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