FC2ブログ
 

みんなみすべくきたすべく

まるで長くて はでな吹き流し

北斎2j
(承前)
 写真上は、北斎の富嶽三十六景「隅田川関屋の里」 下は、ランドルフ・コルデコットの「ジョン・ギルピンのゆかいなおはなし」(ウィリアム・クーパー文 ランドルフ・コルデコット絵 吉田新一訳 ほるぷ)の一場面。
 北斎(1760~1849)は、長生きで、しかも、最後まで力を発揮できた日本の画家。
 ランドルフ・コルデコット(1846~86))は、長生きとは言えない英国の画家。

 片や、日本の浮世絵師。片や英国で、エドモンド・エヴァンスという彫版師(彫師、印刷)のもと、仕事をした挿絵画家。
 馬の疾走の絵ですから、特段、ジャポニズムの影響云々をかざさなくてもいいと思いますが、北斎の富嶽三十六景「隅田川関屋の里」を見ると、コルデコットを思い出すのです。

 そこで、今回、どの絵だったかな?と「コルデコットの絵本 復刻版 全16冊」(福音館)を探してみました。
 3頭の馬の疾走だから、「3人のゆかいな狩人」(The Three Jovial Huntsman)だと勝手に思い込んでいました。が、何度か、3人の狩人たちが馬で疾走はするものの、北斎そっくりという感じではありません。
 それに比べて、「ジョン・ギルピンのこっけいな出来事」(ジョン・ギルピンのゆかいなおはなし)は、馬は一頭ながら、ジョン・ギルピンがマントを翻して馬で疾走するシーンが、北斎のそれに似ているのです。

 北斎にしても、コルデコットにしても、生き生きと物語る絵という点で共通していて、どちらも何度見ても、楽しい。

≪・・・「まあ そういそぎなさんな!」と彼が声をかけても効き目はなく たずなをあれこれ引いたけど だく足は すぐギャロップになる    こうなると ギルピンは前かがみ  まっすぐにすわってはいられず  両手で たてがみに しがみつく 力いっぱいしがみつく   馬のほうは そんなぎょし方を されたことがないので 背の上に 何をのせているのか ますます疑いをつよめた   ギルピンは  もう命がけ 帽子とかつらが吹っとんだ 出かけるときにはこんあ目に あおうなどとは思わなかった    風を切るので マントはばたばた まるで長くて はでな吹き流し あげくのはてに ボタンははずれ マントはさっと吹きとんだ・・・・≫
(復刻版解説書 吉田新一訳)

PageTop