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みんなみすべくきたすべく

ボヘミアの海

白浜j
(承前)
 「新アラビヤ夜話」(スティーヴンスン文 南條竹則・坂本あおい訳 光文社文庫)は、ボヘミアの王子フロリゼルとその腹心ジェラルディーン大佐の諸国漫遊記ですが、ボヘミアの王子フロリゼルというのは、シェイクスピア「冬物語」に登場する王子と同じです。

 ボヘミアは、およそ今のチェコ西中部を指すのですが(つまり内陸)、シェイクスピアの時は、ボヘミアの海にたどり着きなどという表現があって、よくわかっていなかったことからくる不思議な異国というイメージの象徴のようでした。また「冬物語」では、シチリアの王も出てきます。確かにシチリアの周りは海ですが、ボヘミアと船で行き来といった位置関係ではありません。

 とはいえ、「新アラビヤ夜話」でのボヘミアの王子フロリゼルが一体、「冬物語」の王子とどうつながるのか?うーん、結論から言うと、そのキャラクター同士の類似というより、どこか遠く異国の地の王族は、想像の域にあるので、不思議のイメージを深めるために、スティーヴンスンが使ったと考えられます。
 とすると、「冬物語」でシチリアの賢明で美しい妃、ハーマイオニーの名前が「ハリー・ポッター」に登場するのも、その流れなのかもしれません。

 それで、この際「冬物語」を再読してみました。(続く)

☆写真は、太平洋に面した南紀(紀伊半島)の海。ボヘミアの海は架空の海。南紀の美しい海は、実在の海。津波も地震も架空のものじゃない・・・・(撮影:&Co.Sy)

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