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壜の小鬼

キラウエアそばj
(承前)
 「南海千一夜物語」(スティーヴンスン作 中村徳三郎訳 岩波文庫)の中には、「瓶の妖鬼」と「聲のする島」も入っています。
 この2つの短編は、「マーカイム・瓶の小鬼 (他五篇)」(スティーヴンソン作 高松雄一・高松禎子訳 岩波文庫)に入っている、「壜の小鬼」と「声たちの島」と同じ作品です。

 この2冊の文庫本を読んでみたのですが、後者が2011年刊であり、前者が1950年刊。片や旧仮名遣いが多く、老眼には字が小さいということも手伝って、個人的には、 「マーカイム・壜の小鬼 他五篇)」(スティーヴンソン作 高松雄一・高松禎子訳)が読みやすかった。 

 ゲーテの「ファウスト」➡➡ が悪魔と魂を交換、ディケンズの「憑かれた男」➡➡ が亡霊との取引で記憶を失う、シャミッソーの「影をなくした男」➡➡が、 「影」をなくす代わりに「金貨の出てくる袋」を手に入れる、そしてスティーヴンスンの「壜の小鬼」は、どんな願いもかなうが持って死ぬときは地獄へ。手放すには、「ちょっとした」条件が・・・
 と、禁断の交換話は、どれも、面白い。人間の弱さが、眼に見える形で描かれている点が読みやすいのでしょうか。
 デテールは異なるものの、禁断のものに手を出してしまう、人間の弱さが、どの話にも描かれていて、面白い。

 特に、「壜の小鬼」の面白さは、瓶を手放すときは、手に入れた時よりも安価で。というのがあるものですから、持ち主が代わると、どんどん値下がりして、もうこれ以上安くできない!
 いえいえ、そんなとき、柔軟な頭の持ち主がパートナーに居ると・・・・はて、さて?(続く)

*「ファウスト」(ゲーテ 柴田翔訳  講談社文芸文庫)
*「憑かれた男」(ディケンズ藤本隆康訳 あぽろん社)
*「影をなくした男」(シャミッソー 池内紀訳 岩波文庫)

☆写真は、ハワイ島 キラウェア火山 溶岩の作った穴(撮影:&Co.Hi)

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