FC2ブログ
 

みんなみすべくきたすべく

原題

ギリビーチ
 (承前)
 先日「その歌声は天にあふれる」➡➡の原題が、「CoramBoy」で、個人的には、邦題の方がわかりやすくて好みだと書きました。意訳過ぎるかもしれませんが、訳者が本文をきちんととらえたからこそ、できた邦題だったと思います。

 さて、その次に読んだ「アントニー・ブラント伝」➡➡ の原題は、「Anthony Blunt His lives」です。この最後のlivesが複数になっていて、LIFEという単数、つまり人生が一つでなかったことを表現していて、こちらは、原題の方が、面白い。伝記ですから、意訳というわけにはいかないでしょうが、副題に「一つじゃなっかった彼の人生」の示唆をしてもよかったのではないかと思ったりしました。

 その次に続いた「片隅の人生」➡➡ の原題は、「The Narrow Corner 」です。Narrow は、「狭い」の意が中心なので、どこと較べて狭い片隅のことを言ってるんだろうと、考えたり、言葉のイメージが卑屈な感じがするなぁなどと思っていました。
 が、「 Corner 」をひいてみると、人目につかない場所とか辺鄙な場所という意味もありました。と、すると、イギリスから遠く離れたオランダ領東インド諸島(現在インドネシア)であること、オーストラリアから身を隠していた若者、デンマークから移り住んでいた男性などなど、西洋から離れた辺鄙な場所で、起こった出来事の数々という意味が見えてきます。ということは、確かに地球の片隅で・・・という意味なので、この邦題なのかと理解できたわけです。

*「その歌声は天にあふれる」(ジャミラ・ガヴィン 野の水生訳 徳間書店)
*「アントニー・ブラント伝」(ミランダ・カーター 桑子利男訳 中央公論社)
*「片隅の人生」(サマセット・モーム 天野隆司訳 ちくま文庫)

☆写真は、インドネシア諸島のギリ島(撮影:&Co.Ak)

PageTop