FC2ブログ
 

みんなみすべくきたすべく

雨を見つめる

シーニッゲj
 毎年、大雨による被害が報道されるような国で、あるいは、あの阪神淡路地震の後、降った雨で、地盤の緩んだ自宅が流されてしまうのではないかと、不安で避難したような経験があると、「まりーちゃんとおおあめ」や「あめあめ ふれふれ もっとふれ」のようなタイトルの絵本を紹介するのは、憚られる気がするのは、神経質すぎるでしょうか。特に「まりーちゃんとおおあめ」(フランソワーズ・与田準一訳 福音館)は、大雨の中避難していますから、なかなか被害者感情と相いれないものがあるかもしれません。絵本では、避難をもポジティブに楽しく描いてはいるのですが。

 ・・・と、大人の感情を持ち込む前に、いや、やっぱり、雨がひどくなる前に、この絵本を見てみましょう。
 かつてのようなアーディゾーニの挿絵の魅力があふれている絵本ではありませんが、アーディゾーニの描く、特に雨の中の子どもたちは健在でした。
 ≪まちじゅうに、あめがふっていました。あめは、あかいやねのうえにも、みどりのやねのうえにも、はいいろのやねのうえにも、ふっています。ひくくたれこめた、くろいくもから ふっています。もう三日のあいだ、あめはふりつづいていました。≫・・・・で、始まるのは「あめあめ ふれふれ もっとふれ」(シャーリー・モーガン文 エドワード・アーディゾーニ絵 なかがわちひろ訳 のら書店)です。

 雨の中、外に出たい子どもたちは、すでに外にいる、通りの斜め向こうのおばさんや新聞配達のおにいさん、しゅるしゅる走る自動車、芝生の上でミミズを食べる小鳥たち、それに近づく猫、それを追い駆ける犬・・・みんないいなぁと思っていると、
≪「さあ、あなたたち。レインコートをきて、そとであそんでいらっしゃい。いまなら、あめが こぶりのようだから」≫と、お母さん。
それで、男の子は大きくてかっこいい消防士みたいな長靴を履き、お風呂場からおもちゃの船を持ち、女の子は青いレインコートを着て、赤いつやつやの長靴を履き、戸棚から青い花模様の傘を取り出し、二人は雨の中飛び出していくのです。

 アーディゾーニの絵はいつものように、およそモノトーンで描かれていますが、ここに紹介した文の中だけでも、いろんな色が出てきて、かえって、そのモノトーンの絵が生きてくるような気がします。

 この絵本の献辞には、「あめを あんなにも たのしげに みつめていたステファニーとクリストファーに」とありました。
☆写真は、スイス シーニッゲプラッテ 植物園 

PageTop