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みんなみすべくきたすべく

子どもの本でちょっとお散歩(川 その14)

137氷河と牛j
「わたしの山の精霊ものがたり リューベツァール
(オトフリート・プロイスラー作 吉田孝夫訳 ヘルベルト・ホルツィング絵  さ・え・ら書房)

 「大どろぼうホッツェンプロッツ」*や「クラバート」*の作者、プロイスラーが、故郷の山の精霊「リューベツァール」にまつわる物語を「わたしの」と題し、彼なりの視点で伝説を紹介しています。挿絵は、クラバートでも一緒だったホルツィングです。
 伝説なので、小さい子向きに書かれた昔話とは、少々違うのですが、困った時のお助け精霊であり、懲らしめる時の精霊でもあるリューベツァールは、この地方の人たちの身近な存在だったのが分かります。自然を侮ることなかれ。自然に敬意を払うべし。されど、自然と共に・・・と言った感じでしょうか。

 その中の一つに、川を制そうとした男の話があります。
水門作りのエキスパート、ゼップ親方は、川床を隅々まで細かく調べ、水の流れが曲がる場所も、狭まった場所も、傾斜や岩壁も、全部ぬかりなく調べ「ここが新しい水門の場所だ。ここに造ることにする。――リュ―ベンツァーゲルの野郎は、この水門に咬みついて、自分の歯を折ることになるだろうよ」と、自信に満ち、降りつづける雨にも「好きなだけ降るがいい。こんな雨、おれたちには屁でもねぇ!」と、うそぶくのでした。が、夏の盛りだというのに、突然、強い寒さがこの一帯を襲い、山では雪が降り出し、一週間降りつづけた後、今度は生暖かい風を伴って雨が・・・そして、ものすごい鉄砲水・・・≪ここからは、さらにリアルなプロイスラーの表現が続きます。≫
(注:リューベンツァーゲルはリューベツァールの別称)

*「大どろぼうホッツェンプロッツ」シリーズ (プロイスラー文 中村浩三訳 トリップ絵 偕成社)
*「クラバート」(プロイスラー文 中村浩三訳 ホルツィング絵 偕成社)

☆写真は、スイス 向こうが氷河、こちらでは、牛が草を食んでいます。

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