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みんなみすべくきたすべく

1900円の文庫本

薔薇シャクヤクj
(承前)
 夏目金之助の序文➡➡を見つけたのは、「黄金の時刻(とき)の滴り」(辻邦生 講談社文芸文庫)「野分のあと」の章初めでした。

 この文庫本、新刊文庫本の平積みのところで見つけて、さっそく購入したものの、お金を払うときに、ぎょぎょぎょっ。
 1900円の文庫本だったのです。
 時々、新潮文庫など、やすっ!!!、と思う うすぺっらい文庫本がありますし、岩波文庫にしても、結構、高価なのが増えてきたなと思っていたものの、さすがに1900円にはびっくり。

 が、しかし、「黄金の時刻(とき)の滴り」(辻邦生 講談社文芸文庫)は、辻邦生本人の言葉によれば、(「あとがき」より)
≪この連作が私の創作過程で必然的に出会う宿命を持っていたことに気付かざるを得なかった。≫という位置づけの作品であるようなので、この本から広がる読書の楽しみを考えると、値打ちはあるかな・・・

 上記の言葉の前には、この本までに書かれた短篇を、≪ 〈物語〉の本質は何か、〈物語〉の面白さとは何か、というひたすらな関心のなかから生まれた≫と位置づけ、≪そこから生きているこの人生のさなかから、何か〈物語〉に生命を吹き込む〈詩〉を掴みとる時期がきたのではないかと考えたのである。≫としている。

 つまり、この連作、「黄金の時刻(とき)の滴り」は、辻邦生としては、油の乗り切った作品であるのだと思います。(続く)

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