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みんなみすべくきたすべく

読後の幸福感

       廊下j
(承前)
 丸谷才一の対談「日本語で一番大事なもの」(中公文庫)➡➡が面白く、そのあと、少しいろいろ、読んでみました。中でも全集にあった、堀口大學大江健三郎との関りは、興味深いものでした。が、しかし、昨日の辻邦生への評価に、なんだか疑問符だらけの頭になったものですから、じゃあ、丸谷才一の文章とはどんなものぞや?と、丸谷才一翻訳のナセニエル・ウェスト「孤独な娘」(岩波文庫)を読んでみました。

 翻訳物をまず読んだのは、丸谷才一自身が書いた小説➡➡より、翻訳する方が、その人の日本語が見えると思ったからです。とはいうものの、「ボートの三人男」(ジェローム 中公文庫)➡➡の面白さは、何度読んでも変わりないので、きっと、訳する本のチョイスも、極め付けなんだろうと思ってのことでした。

 確かに、「孤独な娘」の翻訳は読みやすく、筋立てもしっかり、すっきり、ページを繰らせる力を持っています。
 「孤独な娘」というペンネームの、新聞の身の上相談係の男性の話です。全体に憂うつな空気が漂っています。アンニュイ・・・

 で、読了しましたが、結果、好みの本ではなかった。
 子どもの本中心で読書をしてきたせいでしょうか。煮え切らない流れも、後味の悪い結末も、好みじゃない。
 本のなかに「幸福感」を見つけられなかったのは、残念でした。
 もちろん、これは、原作のことであって、翻訳者のせいではないけれど。

☆写真は、スイス ギースバッハのホテル

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