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みんなみすべくきたすべく

いいこと探しの達人

シオン城j
(承前)
 二冊の「人生処方詩集」を読んだわけですが、結論から言うと、まどみちおの「人生処方詩集」(市河紀子選詩 まどみちお詩・絵 平凡社)では、明るい気持ちが湧いてきて、ケストナーの「人生処方詩集」(小松太郎訳 岩波文庫)の多くは、薬がすっと体内に入りませんでした。

 一冊の詩集で、これ!と思える詩に一つでも出会えれば、と思っています。詩は、人生の処方をしてくれるものです。
 ケストナーの「人生処方詩集」に元気づけられる人もいれば、まどみちおの「人生処方詩集」に癒される人もいるでしょう。

 で、カ・リ・リ・ロがケストナーよりまどみちおの詩を楽しむのは、どういうことなんだろう?と、考えていたら、まどみちおの「人生処方詩集」に掲載されていた細谷亮太(小児科医・俳人)の文に、納得の言葉を見つけました。

 北原白秋の「雨」が「いやなこと」を切々と歌っていることと比べ ≪まどさんが「いいこと探し」の達人であることがよくわかる≫と、あります。
 そうなのです。ケストナーは「嫌なこと探し」をしながら書いているものが多かった。まどみちおは「いいこと探し」なのです。
 細谷亮太はまどみちおの「雨ふれば」という一編を雨の日のいいこと探しの詩にあげています。
≪雨ふれば
お勝手も
雨の匂いがしてゐる。
濡れた葱など
青くおいてある。

雨ふれば
障子の中、
母さんはやさしい。
縫物される針
すいすいと光る。

雨ふれば
通りのもの音、
ぬれてゐる。
時をり
ことり などする。≫
☆写真は、雨の日 スイス レマン湖の船の窓からシオン城。
  

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