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みんなみすべくきたすべく

「へ」が受け持ったもの

弁財天j
(承前) 「膝を打つ」(丸谷才一エッセイ傑作選2 文春文庫) 「日本語で一番大事なもの」(大野晋 丸谷才一 中公文庫)で、丸谷才一をもっと読んでみなくちゃ・・・と、今年の前半目標が決まりました。
 中でも、堀口大學と丸谷才一の接点には、興味があったので、二人の対談が載っている「膝を打つ」から、まず読んでみました。
 ***この二人の対談については後日また。拙文に目を通してくださっている方なら、堀口大學の深みにはまっているのが、おわかりでしょうか。この歳になって出会うことがあるのも有り難い、が、しかし、どこまで続くぬかるみぞ・・・・


  閑話休題。
 「膝を打つ」には、対談が半分以上入っているのですが、エッセイも入っています。昨日、少し触れた「日本語相談」の章は1995朝日文芸文庫2002朝日新聞社に掲載されていた「丸谷才一の日本語相談」から抜き書きです。

 そのなかの「だぁれも知らないヘチマの哀しさ」の項に、「エ」のことが書いてありました。
 問いは、【昔からの口論などの際、「〇〇もヘチマもあるもんか」と言いますが、ヘチマは愛すべきもので、哲人の趣さえあるのに、どうしてこんなところで引き合いに出されるのでしょう。かわいそうです。】というもので、それに丸谷才一は、
≪実を言ふと、これは「日本語で一番大事なもの」といふ連載対談の際、大野晋さんから教はったことの受け売りなんですが➡➡➡・・・・・(中略)・・・・・・、エ列音で始まる言葉はどうも、いいイメージを持つてゐないんですね。たとへば、擬声語、擬態語でも「デレデレ」とか「ケタケタ」とか「ベタベタ」とかいふのは、印象が悪い時に使ふ。あるいは、下品さを強調しようというときに使ふ。・・・・もちろん漢語を抜きにして、大和ことばだけでの話。・・・このエ列音始まりの中で、特に変なのを受け持つたのが、「へ」音はじまりの語でした。まづ筆頭に・・・・≫と答えます。へー

 他に「黄色以外の声の色は?」とか「『である調』と『です、ます』調」「『三』に何か特別の意味があるのか」「航海の無事を祈って船名に『丸』」などの問いが選ばれ、丸谷才一は大真面目に回答しています。(続く)

☆写真は、東京 椿山荘にあった弁財天(んざいてん)。七福神唯一の女性だけど、日本人じゃないのです。インドご出身。七福神で日本人は、恵比寿さんだけ。

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