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みんなみすべくきたすべく

「は」のこと

        椿山荘塔j
(承前)
 昨日は素人の勝手な解釈で、「は」のことを書きました。
 「よせてはかえす」「おちてはとける」が頭の中をぐるぐる回っていたものの、書くことによって自分なりに納得していました。
 その後しばらくして、  「日本語で一番大事なもの」 (大野晋 丸谷才一 中公文庫)という文庫本を読んでいたら、「は」のことが出ていて、興味深く、またもの知らずだったので、ここに書いておきます。ただ、昨日の「落ちてはとける」「よせてはかえす」の「は」のことは、この文法指南書には出ていませんでした。

 「私は」と「私が」の「は」と「が」は、結構、難問です。
 「日本語で一番大事なもの」には、 「は」は問題提示で、その答えを要求する意味を持つと書かれているのですが、それが 周知のことだとしても、この無知なカ・リ・リ・ロには新鮮に思えました。「私は」というと、それは問題提起で「答えはなんだろう」と思う。その答えとして「カ・リ・リ・ロです」がくる。それは【「ぞける」の底にあるもの】という章でした。

 また、【主格の助詞はなかった】の章には、
≪主格の「が」は、王朝和歌には出てこず、もともと日本語には主格を表す専属の助詞はなかった。「花美し」「山高し」とか、「花咲く」「われ行く」と言い、動作の主体をきちっと表す特別の助詞はなく「私が取る」のような言い方は、江戸時代になっておそらく主として関東から始まる≫とあるのです。うへー、知らなんだ。

≪もともと関東では「が」をよく使っていて、「が」というのは、その上の人間が卑下するとか、その人間を蔑視するとかの場合に使うもので、関東は関西から蔑視されていたし、関東人は卑下していたから、関西よりも一般的に「が」を多く使っていた。≫と!ふむふむ。
・・・・で、「体言+が+連体形」などの解説があり・・・≪「われ取る」では、「われを取る」のか「われが取る」のか、文脈によらなくてはわからなかったので、「が」が入り込むようになった。≫と続きます。
 で、結局「は」と「が」の問題のややこしさは「が」にあるのだと。
 「が」の使い方が年代とともに動いていきながら、一方には古い殻をつけて簡単に割り切れないのに反して、「は」の方は昔からそんなに変わっていないのだとありました。  はー。(続く)

☆写真は、東京椿山荘の古塔。広島から移築し室町時代のものらしい。東京三古塔の一つ。

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