FC2ブログ
 

みんなみすべくきたすべく

長い引用

   三山j15
(承前)
 「水晶」(シュティフター 手塚富雄訳 岩波文庫)に入っている「石はまざま」の序にも大事なことが、満載。

  以前も石さまざまの序文→ で、少し書きましたが、2016年も終わりに近いので、いっそのこと、今度は、長い引用をしようと思います。書かれたのは1852年。なのに、2016年、混とんとしてきた世界に、あまりにぴったり当てはまってしまいます。
*2012年7月4日に引用したところを重なりますが、今回は手塚富雄訳 岩波文庫で、前回は* 「石 さまざま」  (アーダベルト・シュティフター 高木久雄・林昭・田口義弘・松岡幸司・青木三陽訳 松籟社 シュティフター・コレクション)です。

≪没落してゆく民族がまず最初に失うものは節度である。彼らは部分的なものを目標とする。目さきのことにとらわれて、ちっぽけなつまらぬものに飛びつき、制約されたものを普遍的なものの上位におく。ついで、かれらは享樂と官能的な刺戟をもとめ、隣人にたいする憎悪と嫉妬を満足させようとする。かれらの藝術においては、ただ一つの立場からしか妥當しない一面的なもの、ついで混雑したもの、調子はずれなもの、珍奇なもの、さらには、官能を刺戟し挑發するもの、そして最後に、不道義と罪悪とが描かれるのである。また宗教においては、内面性は單なる形骸、もしくは放埓な狂信に變質し、善悪の區別は失われ、個人は全體を軽蔑して、自己の悦楽と破滅とを追いもとめる。こうして、その民族はみずからの内的混亂の犠牲となるか、より兇暴で、より強力な外敵の餌食となるのである。ーー≫
☆写真は、スイス 左からアイガー、メンヒ、ユングフラウ

          

PageTop