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みんなみすべくきたすべく

ぐうのねもでない

別邸5j
(承前)
 「安愚息楽鍋」(仮名垣魯文作 小林智賀平校注 岩波文庫)は、いろんな人物が語るとはいえ、どれもよく似た牛肉礼賛です。ただ、一話だけ人の話ではないのがあります。
 当事者の牛と馬の問答です。「當世牛馬問答」。

≪馬さんが言います。「牛公、ひさしくあはねへうち、てめへはたいそうしゅっせして、らしゃのまんてるに、ずぼんなんぞで、すっぱり西洋風になってしまったぜ。うまくやるな。
牛さん答えて「ヲゝ、馬か。てめへこそ、このせつはたいそうりつぱな、車をひいて、一六にやア、にぎやかなとこへばかり、どんたくにでかけるそうだが、うらやましイゼ。おれたちは、うし~~とけんで、もてはやされるやうには、なツたけれど、ホンのめうもん(名門)ばかりで、うまれてものごゝろが、つくかつかねへうちに、はなづなをひかれて、つきじ(築地)や横濱へ身をうられたあげくが、四足をくいへゆわいつけられて、ポンコツをきめられて、にんげんのはらへほうむられて、じつにふさいでしまうわけ ≫

・・・と愚痴話になるのですが、牛さん、最後に言うことにゃ、
≪モウ~~、ぐちは云めへ。アゝ、牛(ぎう)のねもでねへ。≫
おあとが よろしいようで…(続く)

☆写真は、京都 下賀茂神社前
別邸7j

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