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阿修羅像

 若い頃、動かぬ「もの」を見て、初めて涙が出そうになったものが、奈良・興福寺、「阿修羅像」です。特に、正面の眉をひそめたあのお顔を見たときの、心の揺れは、今でも思い出すことができるくらいです。
 「阿修羅像」と言うのは、「憤怒」を表す像なのに、怒りみなぎると言うより、憂いが満ちています。
「この人、哀しくなるくらい怒っている?」
「怒りを収めようとしている?」
「泣かんとって・・・・」
そのとき、阿修羅像が泣いたように見えたのです。

 学生だったので、その写真集を買うのも大変だったはずですが、アイドルの写真をそばに置くのとほとんど同じ気持ちで、買い求め、今もそのモノクロの写真集は、そばにあります。
 近年、像ができた頃(奈良時代)のお姿が復元され、今のお姿と異なる朱を中心に緑青・群青などの派手な色彩であるのを知っても、自分が見た「阿修羅像」とは、別物だと思っています。しかしながら、朱のものが、今のようなお姿になるということは、今まで、どれだけ長きにわたって、空気に触れ、人の手が当てられてきたのか。どれだけの祈りや願い、思い、といったものが、そこに在ったのか。有難いことです。≪「阿修羅のジュエリー」に続く≫

☆写真左は三田永沢寺の睡蓮、右は英国ヒドコットマナーの睡蓮。 

112永沢寺蓮jj113ヒドコットマナー蓮jj

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