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小さな家

七月本4j
 東京上野の国立西洋美術館の「ル・コルビジェ展」に行ったのは、もう3年も前のこと。その頃から、ル・コルビジェの近代建築群を世界文化遺産にという声は高まっていたのでしょうか。
 それで、今年、世界にまたがるル・コルビジェの建築群が世界文化遺産に登録されました。

 その建築群の一つに、引退後の両親のために作った小さな家も登録されたと知りました。それが、まさかのレマン湖にある・・・しかも、湖畔に・・・しかも、昨年行ったヴェヴェイの近くに。む・む・む・・・

  そこで、「小さな家」のことを書いた小さな本を、読んでみました。
 「小さな家」 (ル・コルビジェ著 森田一敏訳 集文社)
  わずか80ページ足らずのこの本には、難しいことは書いていません。しかしながら、ル・コルビジェの基本的な考えが書かれているような気がします。他の著書を読んだわけではない素人にも、何か、建築家の心を読んだような気になる1冊でした。 
 「人が住まう」という視点に立って書かれています。
 両親への愛、住まいへの愛、敷地への愛、そして、光や風、自然への愛が、この小さな家に詰まっているように思います。

 写真や図版が大半のこの小さな本は、写真に沿って、キャプションを読んでいくと、さながら、その家を探訪した気分になります。
≪屋根に上ること。これは過ぎ去った時代のある文明において知られた喜びである。  鉄筋コンクリートのスラブが屋上のテラスを支えている。そこに15㎝ないし20㎝の土が盛られ、ここは“屋上庭園”となる。   私たちは、ここ屋上庭園にいる。酷暑のさなか、今は8月。植物たちも焼き焦がれそう。かまわないではないか。一本一本の茎は木陰をつくり、密集した根は分厚い断熱層をなすのだから。   寒さを防ぎ、暑気を断つこの断熱材は、無料で、しかもまったく維持費がかからない。≫

 凄い!1924年時点で屋上庭園。
 あとがきによると、この小さな家には、新しい建築の5要点の萌芽が見いだされるらしいのです。(ピロティ 屋上庭園、自由な平面、水平の連窓、自由なファサード)(続く)

☆写真は、「小さな家」の中の100歳までその家で暮らしたというお母さんとレマン湖(ル・コルビジェ画)

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