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猫図

      こねこj
(承前)
 写真右、勝川春章の「子猫に美人図」は、1780年~82年の肉筆画。(太田記念美術館)
 写真左、勝川春章門下で春朗だった、北斎「美人愛猫図」1800~1810年の肉筆画。(シカゴウェストンコレクション)
 
 門下離脱の北斎が描く猫と春章の猫が、あまりに似ていて面白いなと。どちらも首に赤い紐。どちらも、ごつごつしていて、可愛い!とは言い難い子猫です。
 猫とその絡みは、北斎やその娘応為を描いた小説「北斎と応為」 (キャサリン・ゴヴィエ著 モーゲンスタン陽子訳 彩流社)に登場しています。作家のイメージの源泉には、こんな絵があったのかも、と思います。

≪工房の戸口で私の猫たちが鳴き声を上げて激しく尾を振る。誰も餌をくれなかったのだ。私は雄のほうの腹の下に足を引っかけて抱え上げた。それからごつごつの背骨を撫でてやり、また放す。しばらく部屋の隅でうろうろしていたが、誰かの肘に突き飛ばされ、絵具の入った皿をひっくり返してしまった。猫は驚き・・・≫

 さて、この二枚の猫は、同じ猫のような気もして、制作年をちょっと調べてみたら、幅は広いものの、まったく重ならない時期。画号を頻繁に変えた北斎は、その号の時代で作品の制作年を特定していくのでしょうけれど、ちょっと気になる猫の画でした。(「北斎と応為」に続く)

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