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妖精ディックのたたかい

妖精ディックj
 「妖精ディックのたたかい」 (K.W.ブリッグズ文 コーディリア・ジョーンズ絵 山内玲子訳 岩波)
(承前)紅葉に、関東遠征に・・・しているうちに早、12月。街はクリスマス色に。

 銀座教文館で見たコーディリア・ジョーンズの挿絵は、初めから「妖精ディックのたたかい」と「魔女と二人のケイト」についていたものではなかったようです。訳者あとがきによると≪…イギリスの児童文学者アン・スウェイトさんに、ジョーンズさんの一枚の小さな木版画を見せていただいた時、そのふしぎな雰囲気にひかれ、『ディック』と『ケイト』のさし絵をお願いできたら、と思いました。その思いがかなえられ、ブリッグズの作品の魅力をたっぷり汲みとって、深い陰影をそえるさし絵ができあがったのは、大きな喜びです。≫
 「妖精事典」*などの著者で、イギリス民俗学の学者でもあるキャサリン・ブリッグズのお話と、本当にしっくり合っています。小口木版画の陰影が、この「妖精」や「魔女」という陰の世界にぴったりです。

 さて、「妖精ディックのたたかい」には、「楽しきかなクリスマス」の章があります。
 清教徒にふさわしい質素なクリスマスを考える屋敷の主人ウィディスンと「クリスマス・イブには、クリスマスの薪を燃やし、みんな集まれるようだったら、野リンゴを焼いたり、木の実を割ったりして、楽しくやろう。」という使用人バッチフォードと・・・
 ちょっとしたトラブルはありますが、ホバディ・ディックがいるから「楽しきかなクリスマス」。

≪乾杯、町じゅうみんなで乾杯、
 パンはまっ白、エールは茶色、
 お偉いさんに乾杯、下々のものにも乾杯、
 楽しきかなクリスマス、喜びすべての人にあれ。≫(山内玲子訳 岩波)(続く)

*「妖精事典」(キャサリン・ブリッグズ 平野敬一・三宅忠明・井村君江・吉田新一訳 冨山房)

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