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みんなみすべくきたすべく

贋金つくり

      ゆんぐふらうよっほj
(承前)
 さて、その「贋金つくり」 (アンドレ・ジイド 川口篤訳 岩波文庫)ですが、一言でいうなら、複雑で一言でいえない。何が複雑かというと、登場人物が多く、それぞれの出来事が多く、時として、芸術論にもなれば、宗教上の問題も絡んでくる。

 登場人物の多いのは、他にもあるけれど、特に前半、章毎に、それぞれの人物の視点で語るので、誰が誰?誰と誰?の繰り返し。前半は相関図を書かないと読めませんでした。後半は、慣れてきて、一気読みになったとはいえ・・・
 「贋金つくり」の題名で本を書こうとする作家が語ると思えば、実際に贋金つくりの組織が出てくるし・・・。
 さほど重要でなさそうな人物が最後は、象徴的な終わり方をするし・・・。
 一番初めから、わけありで登場し、半ばで重要な鍵を握り、後半でも、関与は大きいのに、結末は、え?それだけ?という人物もいるし・・・

 ただ、以下の文章だけはすぐに共感。
 作家エドゥワールの秘書としてスイスについていったベルナールが親友オリビエに送った手紙の追伸です。
≪・・・ところで、君、もうスイスの悪口を言うのはやめたよ。あの高みに立って、一切の文明、あらゆる草木、人間の貪慾や痴愚を思い出させるすべてのものが視界から消え去ると、歌い、笑い、泣き、飛びたい気持ち、頭から空中に飛び込むか、あるいはひざまずきたい気持ちになる。では。≫(続く)

☆写真は、スイス この手紙の舞台となったサアス=フェーではなく、ヴェンゲン。向うにユングフラウがそびえています。

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