FC2ブログ
 

みんなみすべくきたすべく

僕は生まれてくるのが五十年早かった

パンj
(承前)
 「堀口大學詩集 幸福のパン種 増補版」 (堀口すみれ子 かまくら春秋社 )の最後「改版によせて」に、こんなことが書いてありました。

 堀口大學は娘に言います。≪「僕は生まれてくるのが五十年早かった、五十年経ったら僕の詩は理解されるよ、君はそれを見届けておくれね」≫
 そして、娘は、平成23年秋に、増補版を刊行します。1971年産経新聞元旦に書かれた「新春 人間に」という詩を加えた増補版です。堀口すみれ子は言います。≪この年は福島第一原子力発電所が可動した年で、書かずにはいられなかった詩だったのでしょう。≫

 堀口大學は、1892年生まれで1991年没。東日本大震災は2011年(平成23年)3月11日でした。

「新春 人間に」(1971年) 
≪分かち合え
 譲り合え
 そして武器を捨てよ
 人間よ

 君は原子炉に
 太陽を飼いならした
 君は見た 月の裏側
 表面には降り立った
 石までも持って帰った
 
 君は科学の手で
 神を殺すことが出来た
 おかげで君が頼れるのは
 君以外になくなった

 君はいま立っている
 二百万年の進化の先端
 宇宙の断崖に
 君はいま立っている
 存在の岐れ目に

 原爆をふところに
 滅亡の怖れにわななきながら
 信じられない自分自身に
 おそれわななきながら・・・
 
 人間よ
 分かち合え
 譲り合え
 そして武器を捨てよ

 いまがその決意の時だ ≫
(続く)
☆写真は、スイス シャブレー村のパン屋さん看板。

PageTop