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聞くだけ野暮

ブルックj
「もしも、詩があったら」 (アーサー・ビナード 光文社新書)
 アメリカ出身の詩人アーサー・ビナード氏の新刊新書です。
「もしも」という言葉の魅力と魔力を楽しめる一冊です。
重い詩あり軽い詩あり、和訳あり(もとの英語もあり)、古今和歌集あり、シェイクスピアあり、演歌あり・・・
目次はⅠ「もしも」と出会う Ⅱ恋する「もしも」Ⅲ世界を見つめる「もしも」Ⅳ「もしも」と生きる、となっています。
つまり、いろんな角度から「もしも」につながる詩を選び、詩を作るうえで、重要な役割を果たす「もしも」という言葉に迫っています。

「あとがきにかえて」の中で≪詩というものは、役に立つか立たないのか?つきつめれば。それは「聞くだけ野暮」の部類に入る。「上半期決算報告書の見栄えを良くするために、役に立つのか」という意味なら、おそらく役に立たないだろう。○○ノミクスを転がす効果を詩に求めても、それはお門違いというもの。でも「自分と自分の愛する人びとが生きのびるために、役に立つのか」といった次元であれば、もしかしたら詩は有用かもしれない。ぼくも詩人のハシクレとして、「もしも」の力に助けられながら作品を書いている。≫

そして、イギリスのマザーグースの「ゴータムの賢者」を原文と和訳を並べて載せ、英国ジョン王の頃のゴータム人の知恵を、現代日本に生かす提案を書いています。さて、上記写真は、イギリスの挿絵画家レズリー・ブルック*が描いた『ゴータムの3人の賢者』の一枚です。

≪ゴータム村の賢者が三人つれだって
茶碗に乗りこみ港から海へ出た・・・ああ
もしもその茶碗がもう少し丈夫だったら
この歌はもうちょっと良かったのだが≫
*‟Oranges and Lemons ――Nursery Rhyme Picture Book“(Leslie Brooke Frederick Warne London)
*レズリー・ブルックは「金のがちょうのほん」(松瀬七織・瀬田貞二訳 福音館)の作者です。

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