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みんなみすべくきたすべく

明治の木、アルプスの石

シーニゲプラッテj
(夢の続き)(承前)
  さて、「夢十夜 第六夜」運慶の彫刻は、木の中にもともと埋まっているものを掘り出すだけ、という発想を調べていくと、英国からイタリアルネサンス ミケランジェロに飛んでいきました。研究畑で周知のことでも、素人の読書だと、単につながるだけで嬉しい。

 というのは、以下、ミケランジェロの詩(早川祐弘訳)を見ると、あれれ?運慶が木を掘り出し、ミケランジェロが石の中にある像を取り出すという、木と石という違いこそあれ、人間技を超越したような彫刻を表現する言葉として似ています。

≪硬いアルプスの石の中に
 生動する像があると仮定して、
 夫人よ、それを取出すためのごとく、
 石片がおもむろに砕け散ると、像はおもむろに大きな姿を現す。
 このようにわれらの肉体の表面は
 手がはいっていない、荒れた、硬い肌により、
 立派な行いを内に隠している、
 それにふさわしい魂はその間たゞうちふるえている。
 このわたしの外面の姿から
 これを取出し得るのは君、たゞ君あるのみ、
 わたしにはもはや己れの意志もなく力も尽き果てた以上。≫
「ミケランジェロ詩人」『ルネサンスの詩 城と泉と旅人と』(平川祐弘著・訳 沖積舎)

 恥ずかしながら、彫刻家で画家のミケランジェロが、300篇近い詩作を残した詩人だったとは、今まで知りませんでした。また、ショスタコビッチが「ミケランジェロの詩による組曲」を作っているということも、知りませんでした。(続く)

☆写真は、スイスアルプス アイガー・メンヒ・ユングフラウ

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