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夢十夜とロセッティ

      けるむすこっとにわj
(承前)
 D.G.ロセッティ作品集 (南條竹則・松村伸一編訳 岩波文庫)の一番初めの小説「林檎の谷」を読んだとき、あ!と思いました。
 その話の始まりはこうです。
≪眠ればいろいろな夢を見る、と人は言うが、生まれてからこのかた、自分はただ一つの夢しか見ない。≫
そして、最後はこうです。
≪―――と見たところで、冷え冷えした寝床に目覚めた。だが、自分はついに永遠(とこしえ)の仲間たちと横たわっているのだ、という感じは変わらず、手にはまだあの林檎の感触が残っていた。≫

 「こんな夢を見た」で始まる夏目漱石の「夢十夜」のことは以前に書きましたが、またここでもつながったような気がするのです。ただし、以前に書いた第一夜の百合は、今回「D.G.ロッセッティ作品集」を読んで、別の作品と近しいのではないかと思っています。
  夏目漱石はきっと、ダンテ・ガブリエル・ロセッティの絵を鑑賞しただけでなく、この「林檎の谷」を読んでいたに違いない(かもしれない)し、英国から帰国して夏目漱石が書いた「夢十夜」のイメージの源泉として、この小説があったに違いない(かもしれない)と思います。研究者の間では、周知のことだとしても、カ・リ・リ・ロ的には新発見。(夢は続く)

☆写真は、英国ケルムスコットマナーの庭。

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