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みんなみすべくきたすべく

カリカチュア

              どうみえj
(承前)
 かつて、おばさん修士候補生は、専門の学究より、聴講できる「英国文化論」や「ディケンズ講読」、「フランス文化論」に、嬉々として通っていました。

 そんななか、「フランス文化論」は、先生の突然の訃報で、休講が続き、レポート課題がでました。一枚のフランス絵画を選んで、レポートするというのでした。
 そこで選んだのがドーミエでした。
 自分自身、「絵本と母子関係」を中心に修士論文を書いていたので、絵本・挿絵→カリカチュア(戯画)という流れで、ドーミエにしたのです。書いたのは、油絵の「三等客車」についてなのですが、ドーミエの人物描写の奥の深さが、そこにも感じられました。風刺画のように、小道具等に寓意性を持たせるより、全体から醸し出されるものに、当時のパリを見る確かな眼がありました。

 そして、月日は流れ、風刺画が大きな問題になる昨今。
 ドーミエの風刺画を振り返ってみると、そこには、芸術性こそあれ、あるいは、政治や特権を批判こそすれ、庶民・市民の心を踏みにじるものはありません。(続く)

☆写真手前は、ドーミエが作った政治家の諷刺彫刻「右派の大臣たち、および国会議員と上院議員たちの肖像」、向うは、その塑像になった政治家の並ぶ議会を描いた「法を作る腹」。オルセー美術館図録と「カリカチュアの近代―7人のヨーロッパ風刺画家」(石子順著 柏書房)

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