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みんなみすべくきたすべく

姑息な変身

      はねありj
(承前)
 「変身物語」で、核になるのが、ユピテル(ギリシャ神話ではゼウス)ですが、 全能で力はあるはずのユピテル様は惚れっぽい。

 ご自分のご欲望のために、姑息な御変身術を、お使いになられます。
 カリストの時は、処女神のディアナに変身。
 エウロペのときは牝牛になり、
 イオの時は黒い雲。
 ダエナの時は金の雨。
(ギリシャ神話だとほかにもある・・・)
 
 そのいちいちを察知して、追いかけ、相手の女に(夫ではなく!)制裁を加えるのが、妻のユノー(ギリシャ神話ではヘラ)。 嘆願したり、自分で手を加えたり、もちろん変身もありです。

 ユピテルの変身を軽くあっさり書いているのに対し、ユノーの情念の深さ、しつこさには、ずいぶん力が入っている気がします。どうも、男性の行動には緩めの目線、女性の行動には厳しい目線が、あると思われます。

 「変身物語」は、数々の芸術の源泉となり、今も確かに面白い話ですが、現代女性としては、時々、「ありえへん!」と憤りながら読むこともあるのです。

*「変身物語」(オウィディウス 中村善也訳 岩波文庫)
☆写真は、英国オックスフォード アッシュモレアン美術館壁

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