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みんなみすべくきたすべく

行動すること

花50

 先日、国連の環境問題のサミットで、16歳の女性が、声を荒げ、大人たち、経済優先にする人たち、環境問題の重要性を知っているのに直視しない人たちに訴えたシーンがありました。カ・リ・リ・ロが定点観察➡➡などと悠長なことで、地球の温暖化を考える場合ではないことを、彼女は訴えていました。感情的なシーンだけが強調されますが、彼女がストックホルムでスピーチしているのを見る限り、その場しのぎの原稿を読む大の大人より、はるかに冷静で、説得力のあるものです。もちろん、彼女は、原稿など見ていません。ジーンズ姿で、大きな舞台に一人立って、演説します。淡々と。・・・・何歳であっても、訴えることの重要性を、教えてくれます。彼女は言います。
≪もちろん、希望は必要です。しかし、希望以上に必要なのは、行動です。行動し始めれば、希望は湧いてくる≫と。

 彼女を見ていると、同じスェーデンのリンドグレーンと重なってきます。いわば、小さな国のスウェーデンから、出てきた女性二人。まだ若くて未知数ではある16歳と、95歳で亡くなるものの、未だにその作品が、子どもたちに読み継がれているリンドグレーンです。時代も、年齢も、違いますが、女性であることスェーデンの自然を愛していること、そして、その信念の強さに共通項を見いだします。

 リンドグレーンは「暴力は絶対だめ!」➡➡ (アストリッド・リンドグレーン 石井登志子訳 岩波)というスピーチを1978年にドイツ書店協会平和賞を受賞した時にしていますが、当初、内容があまりにも挑発的だと見なされたため、内容変更の打診をしたようです。リンドグレーンの返事はNO!このスピーチの内容を変えなくてはならないのなら、授賞式への出席を見合わせるというものでした。
 そして、このスピーチの反響は大きく、その翌年、スウェーデンでは、世界に先駆けて民法の条文に、≪子は日常生活の世話を受け、精神的に安定した生活を享受し、社会生活を維持していくために必要なしつけを受ける権利を有する。子はそれぞれの特性に応じて、一人の人間として尊重され、体罰またはその他精神的虐待を受けない。≫と、盛り込まれました。

 また、1985年には、新聞に≪家畜を織の中に閉こめず、屋外ののびのびとした環境で飼うべきだ≫という趣旨の記事を書き、議論を巻き起こし、その後、動物愛護の活動も評価さていきます。【***参考「「暴力は絶対だめ!」(アストリッド・リンドグレーン 石井登志子訳 岩波)のはじめに ***「ピッピ 船にのる」リンドグレーン文 ニイマン絵菱木晃子訳  岩波書店)の訳者後書き】

 このリンドグレーンの作品を、16歳の彼女が読んでいないとは思えません。8歳の時に環境問題に気付いた彼女が、リンドグレーンの数々の作品にその頃、出会い、気付いたことがあったと想像できるのです。リンドグレーンの多くの作品は、8歳から12歳前後の子どもたちが読むのに、ぴったりのものが多いからです。

 さて、「暴力は絶対だめ!」の終わりに小児科医で作家のラーシュ・H・グスタフソンが、リンドグレーンと話した時のことを、こう書いています。
≪・・・・我々は、かつてピッピが主張した目標の途上にあります。「子どもは、大人が理由を説明もせずに、自分を支配するのを決して認める必要はありません。」国連の「子ども権利条約」で、すでにかなり変わってきました。—--その成果はあがってきています。かつてあなた(*リンドグレーン)と、子どもと人間の権利についてお話しした時に、あなたがおっしゃったことを思い出します。「ええ、ええ、条約は紙に書かれたものでしかありません。大切なのは行動することです!」・・・≫

 ☆写真は、グアルダ村で咲いていたセンペルビウム・アラクノイデウム(ベンケイソウ科 1000~2500m)

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