FC2ブログ
 

みんなみすべくきたすべく

三人兄弟

     壁絵13
(承前)
「王書—-古代ペルシャの神話・伝説」(フェルドウスィ―作 岡田恵美子訳 岩波文庫)には、神話伝説と英雄伝説、つまり史実に基づいた人ではなく、伝説上の人たちが登場するのですが、なかでも、息子3人の手柄に与えた土地が、今もなお、争いの火種になっていることを考えると、興味深い。

 在位1000年蛇王ザッハーク王から王国を奪い返したフェリドゥ―ン王(在位500年)には、三人の息子がいました。三人の息子は、イエメンの王女三人をそれぞれ娶とるとき、それまで、名前のなかった彼等あるいは、彼女らに名前がつきます。
 長男はサルㇺ、妻はアール―ズー(自由)、次男は、トゥール、妻は、マーヘ・アーザーデ・フーイ(高貴な月)、三男はイーラジ、妻はサヒー(健やかな糸杉)。
 フェリドゥ―ン王は、世界を三つに分けます。第一はルーム(小アジア)と西方。第二は、トルキスタンとシナ。第三は英雄の国イラン。 そして、長男サルㇺには、ルームと西方の地すべて。次男トゥールに、トゥーラーン(中央アジア、アラル海の東方と想定されている)。そして、三男イーラジには、イラン国とその周辺の砂漠の地を与え、「イラン王」と呼びました。

 で、結局、末っ子の三男が、イラン国の王座に就くのですから、他の二人が許さない・・・という想像しやすい展開に。
 つまり、未だに、イランとその周辺の、平和ではない現状。また、あるいは、隣国ではなく、イラクを越えたイエメンから嫁をとる・・・など、根深い問題のルーツが、ここに読み取れます。

 また、次男の王国トゥーラーン・・・これって、かのプッチーニのトゥーラーン・ドットにもつながっている・・・ほんと、知らないことばっかりです。(続く)
☆写真は、スイス ヴェヴェイ 建物の壁絵。

PageTop