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トロイラスとクレシダ

     グローブ50
(承前)
 先のジェフリー・アーチャー「嘘ばっかり」➡➡の中の短編 「立派な教育を受けた育ちのいい人」➡➡の最終講義に引用されていた「トロイラスとクレシダ」(ウィリアム・シェイクスピア 小田島雄志訳 白水社Uブックス)

 恥ずかしながら、この話のことは、知りませんでした。
 かつて、ロンドン、グローブ座にシェイクスピアの劇を見たくて何度か行きました。
 その時、現地の人と一緒に笑いたいものだと思い、字幕の代わりに、いつも持参していたのが、白水社Uブックスのシェイクスピアの小田島雄志訳です。で、結構、読んだつもりだったのに、この「トロイラスとクレシダ」は、知らなかったなぁ・・・

読んでみましたが、恋愛物語と戦記物が混在。ギリシャ神話なのに、生々しい。神話や昔話にも、生臭い話は多々ありますが、どれも、淡々と描かれるものが多いのに、この本は、戯曲なので、細かい表現を信条としています。そこが、舞台なら、きっと面白い。笑えて、考えさせられる。

 読むだけなら、個人的には、今まで読んだシェイクスピアの中で、一番すっきりしませんでした。多分、たくさんの主人公級の人々(神々?)が、フル出演することによって、カタカナ名前の苦手な、この読者は、しっかり、読み込めなかったと、考えられます。

 解説によると、この話の最後は「トロイラスは、死にもしなければ、不実なクレシダを殺しもしない。カタルシスは起こらない。・・・グロテスクな劇は悲劇より残酷だ。」とする見方と、「風刺劇の手法から、主人公たちを嘲笑すべき対象として劇の終わりに放逐したに過ぎない。」という見方もあり、「それまで絶対的なものとされてきた宇宙の秩序・神の摂理に疑問が投げかけらるようになった17世紀初頭のこの劇がまた復活していることの意味は大きい」とも、ありました。
 ということは、やっぱり、専門家たちの間でも、大きくも見解の異なる、難解な話だった・・・と、わかったら、カ・リ・リ・ロの読解力のなさも、少しは救われるかも・・・

☆写真は、ロンドン グローブ座 お芝居が始まりますよ!の時間。

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