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みんなみすべくきたすべく

さようならは溜息とともに消えていく

シェイクスピア
(承前)
 「嘘ばっかり」(ジェフリー・アーチャー 戸田裕之訳 新潮文庫)➡➡の中で、話の流れの描き方に感心した一つ。

 「立派な教育を受けた育ちのいい人」
 今より、さらに女性差別のあったアメリカ、1970年に、イェール大学の准教授になった女性マーガレット・アリス・バーベッジの最初の講義と最終講義の話です。
 彼女の専門は、シェイクスピア。
 新任の彼女を引きずり降ろそうと、虎視眈々と狙う男子学生。
 そこには、息詰まる、質疑応答の繰り返し。
 するうち、シェイクスピアを暗唱する応酬。
 テンペスト第4幕第一場、ハムレット第一幕第三場、ヘンリー6世第二部、ソネット・・・

 そして、時を経て、最終講義のシェイクスピア。
「『時』ははやっている宿屋の亭主に似ている、
去っていく客にはおざなりの握手をかわすのみだが、」
「新米の客となると両手をひろげて飛んでいき、
抱きかかえんばかりだ。いらっしゃいは笑みをたたえ、
さようならは溜息とともに消えていく」
・・・「トロイラスとクレシダ」第3幕。
(続く)

☆写真は、パリ シェイクスピア・アンド・カンパニー➡➡

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