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V&A

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(承前)
   孤独な女王という点では、先日書いた「女王陛下のお気に入り」➡➡のアン女王もそうでしたが、アン女王が、少々愚鈍な感じで表現されていたのと反対に、ヴィクトリア女王は、頑固なところはあるものの、好奇心や探求心に溢れる老女王の若々しい気持ちも表現しています。
 
 また、先の「クイーン・ヴィクトリア 至上の恋」(Mrs.Brown)➡➡が全体に淡々と静かに映画になったのと違い、この「ヴィクトリア女王 最期の秘密」➡➡は、明るく活気づいていました。ジュディ・デンチは、「Mrs. Brown」の後、この「Victoria & Abdul」に出演しようと思っていたに違いありません。素敵に年を重ねた老女王になっていましたから。・・・・と、思ったら、実は、このインドの青年、アブドゥルの日記が見つかったのが2010年らしい。ほぼ実話に基づくというストーリーは、当時から知られた話ではなく、王室の秘密だったようなのです。ヴィクトリア女王の息子、その次の国王エドワード7世により、証拠隠滅されていたようです。(これは、映画でも出てきます)

 映画では、ヴィクトリア女王が、夫であったアルバート公やジョン・ブラウンを恋しがるシーンもあります。アルバート公やジョン・ブラウンへの思い、ハンサムで背が高いインドの青年アブドゥルへの思い、それぞれに厚い信頼を寄せていたのがわかります。身分や人種や年齢、宗教を越え、人と人との出会いと交わり。
 絨毯の織を指しながらアブドゥルは、言います。「インドにペルシャの絨毯が伝わり、いろんな糸で模様を織ります」・・・・と、糸と人との出会いを重ねています。
 
 さて、後味が悪かったと書いた「女王陛下のお気に入り」➡➡でしたが、この「ヴィクトリア女王 最期の秘密」は、どうだったでしょう?
 有色人種差別や、宗教の問題、大英帝国のインド支配の問題、ヴィクトリア女王の息子や、取り巻きたちの傲慢さ、欲深さ、醜い場面もあって、イギリスびいきをやめようかと思う瞬間も多々。が、そんなことより、個人的な心の真っすぐな清廉さが、印象に残り、最期の秘密の最後は、ああ、よかった・・・となりました。

 それにしても、ジュディ・デンチの演技は、圧巻。威厳のある女王となり、恋する乙女となり、孤独に涙する女性、血のつながらない息子のような青年の母親・・・となり得る1934年生まれの大女優。
 そういえば、この人がエリザベス一世を演じた映画「恋に落ちたシェイクスピア」も面白かったなぁ・・・
 と、思ったら、新しい「ふたりの女王」(Mary Queen of Scots)(スコットランド女王メアリーとエリザベス1世)の映画公開もある・・・

☆写真は、ロンドン V&Aの門扉の一つ。ヴィクトリア&アルバート美術館です。Victoria & Abdulではありません。

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