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みんなみすべくきたすべく

ボストン美術館展

    ゴッホ5j
(承前)
 先に絵ありき、ではなく、先に映画を観て、美術鑑賞というのも、面白いです。
 
映画「ゴッホ最期の手紙」➡➡の影の主人公ともいえる郵便配達人ジョゼフ・ルーランとその妻の肖像画が展示されている 「ボストン ーーボストン美術館の至宝展—東西の名品 珠玉のコレクション」(~2018年2月4日 神戸市立博物館)に行きました。

  郵便配達人ジョゼフ・ルーランの絵を描くにあたって、ゴッホは、弟テオに、こんなふうに紹介しています。
≪青い制服に金モールの飾りをつけ、髭を生やした大きな顔の、ソクラテスによく似た「郵便配達夫」だ。タンギー爺さん➡➡みたいな熱狂的な共和主義者で、ほかの多くの人たちよりもずっと面白い人物だ。≫≪「郵便配達夫」を自分が感じたように描くことができるかどうか、僕にはわからない。・・・・・(中略)・・・・残念なことになかなかこのモデルは座ってくれないが、どうしてもやっぱり仕上げてみたい、知的モデルの絵を。≫*「ゴッホの手紙 中」(J,v.ゴッホ―ボンゲル編 硲伊之助訳 岩波文庫)
 ゴッホは、郵便配達人ジョゼフ・ルーランが制服を着た絵を、この全身像と胸像の何枚か描いています。

 ルーランと、その家族が、アルルで友人のほとんどいなかったゴッホにとって、大事な存在だったのは、このジョセフの絵だけでなく、息子のカミーユ(映画「ゴッホ最期の手紙では重要な役回りでした)、それに妻のオーギュスティーヌ・ルーランも描いているところからも、よくわかります。この一家でのひと時は、癒される時間だったのかもしれません。

 実際、かの耳切事件の直後、親身になって世話をしてくれたのがルーランだったことからも、ルーランの存在は大きいものでした。
 事件後すぐの弟テオへの手紙1月1日付に、こうあります。(事件は12月23日夜)
≪ゴーガンが君をすっかり安心させてくれると思う。多少絵の商売の件でもね。近いうちにまた制作を始めたい。家政婦と友人のルーランが家の中を片付けてくれたので、すっかり整頓した。・・・・・(中略)・・・・・ルーランは本当に親切にしてくれた。他の人たちが承知する前に、退院できるように機転を利かせてくれた。≫*「ゴッホの手紙 下」(J,v.ゴッホ―ボンゲル編 硲伊之助訳 岩波文庫)
 その後、ルーランは、転勤になってしまい、ゴッホの周りから、また一人居なくなり、その後、ゴッホは、精神病院へ・・・

 実は、郵便配達人ジョセフ・ルーランと息子のカミーユ・ルーランの絵は、2016年秋の東京都美術館「ゴッホとゴーギャン展」➡➡に来ていました。
 この時は、「ゴッホの手紙」もまだ読んでいなかったせいもあって、郵便配達人ジョゼフ・ルーランの絵をしっかり見てきたわけではなかったと、今更ながら思います。
 
くわえて、スイスのオスカー・ラインハルト美術館アム・レマーホルツ➡➡に、ゴッホが描いた、アルルの病院の絵が2枚ありましたが、年が明けたら「ゴッホの手紙」(岩波文庫)のことを書くつもりなので、そのときに。(続く)

☆写真下は、一枚の絵ハガキ。二人の肖像画がそろって日本にくるのは初めてだとか。左:郵便配達人ジョゼフ・ルーラン、右:子守唄 ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人

ゴッホ12j

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