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日本の娘

ゴッホ11j
(承前)
 ゴッホのアルル時代には、夾竹桃を持った少女の絵を描いています(写真、中央)。今回の「ゴッホ展ーー巡りゆく日本の夢」展(東京都美術館~2018年1月8日)➡➡に来ていたのは、その「ムスメの肖像」(ラ・ムスメ)の素描でした。(写真、右)

 ゴッホはベルナールに宛てて、この絵のことをこんな風に書いています。
≪十二歳の少女の肖像を描き上げたばかりだ。目が褐色で、髪と眉毛が黒く肌が灰黄で、白い背景はヴェロネーズ緑が利いている。血のように鮮やかな赤のジャケツには紫の縞があって青いスカートには橙色の大きな点がある。可愛らしい小さな手で夾竹桃の花をもっている。≫

 で、この絵のタイトルは「ムスメ」(ラ・ムスメ)といい、ロティの「お菊さん」に出てくるムスメからきているようで、娘の翻訳ではありません。弟テオには、この絵のことをこう書き送っています。
≪・・・僕の「ムスメ」をうまく書き進めるためには頭脳の力をそれだけに集中しなければならなかったのだ。「ムスメ」とは、十三四歳の日本の娘ーーこの場合は実はプロヴァンス娘なのだがーーのことをいうのさ。・・・・・(中略)・・・少女の像は、背景に強く緑をかけた白、胴着は血紅色と紫の縞。スカートは青地にオレンジがかった黄色の大きな斑点がある。艶のない肌は灰黄色。髪は紫がかって、眉と睫(まつげ)は黒で、眼はオレンジ色と群青。指の間に夾竹桃の枝が一本で、両の掌は内側に向けている。≫

 ゴッホと言えば、「ひまわり」➡➡というくらい、ゴッホとひまわりは印象深いものの、意外と、夾竹桃も、ゴッホの作品の中では、ゴッホとつながっていました。
 
 そして、いずれ、「ゴッホの手紙 上中下」のことは書いておこうと思います。(続く)

*「ゴッホの手紙 上 ベルナール宛」(エミル・ベルナール編 硲伊之助訳 岩波文庫)
*「ゴッホの手紙 中 テオドル宛」(J.v.ゴッホ・ボンゲル編 硲伊之助訳 岩波文庫)

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