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何らかの知恵があるはずだ

せいめいのれきし20
(承前)
 改訂「せいめいのれきし」(バージニア・リー・バートン いしいももこ訳 まなべまこと監修 岩波)の監修に携わった真鍋真著「深読み!絵本『せいめいのれきし』(岩波科学ライブラリー」 にも、「せいめいのれきし」愛が溢れています。
 なによりタイトルの「深読み」に「!」がついているところからも、その気持ちがわかります。
 本来なら、この「深読み!」の恐竜について書かれたことに感想を書くところですが、、実は、この本に一番興味があったのは、この学者の「せいめいのれきし」愛についてでした。

 まえがきの始まりは、こうです。
≪「せいめいのれきし」のすてきなところは、その時代その時代の生きものが主役であるということです。・・・・≫

≪・・・私たちから縁遠いように思われる生きものたちが進化でつながっていることを、作者バージニア・リー・バートンさんはあたたかく紹介しています。そのまなざしが、人をひきつけるのだろうと思います。・・・・≫

≪・・・この本は、生きものたちのサクセス・ストーリーが語られているわけでも、進化の見方のあるべき論が語られているわけでもありません。そうではなくて、自然と向き合うときの謙虚さを感じさせてくれる本だと思います。生命の歴史を知ることは、何かの役に立つわけではないけれど、気持ちを豊かにしてくれます。それは、私たちヒトが言葉で、文字で、絵で物語を伝え、共有できるようになった動物であり、私たちはそのことに歓びを見いだす生きものだからではないかと思います。これまでの生命の歴史のリレーランナーとして、私たちがしっかりとバトンをつないでいかなければという思いを新たにして、読者である子どもたちひとりひとりが次の主人公となって、これから朝が始まるのだという本の最後のメッセージは、とても魅力的です。……≫

・・・・と、前書きは続くのですが、どこか、バージニア・リー・バートンの物語の書き出し、石井桃子訳の香りがしてきます。

そして、彼は本文の最後で、生態系6度目の大量絶滅について触れます。

≪「せいめいのれきし」は、生態系の過半数の多様性が失われた大量絶滅という大事件を現在までに少なくとも5回かいくぐってきました。・・・・(中略)・・・・西暦1750年ごろから乱獲や生息地の環境変化や減少などによって、生物の絶滅数が急激に増加しています。19世紀以降その傾向は急進化し、現在、すでに第6の大量絶滅が始まっているとされています。過去5回の大量絶滅と現代が異なるのは・・・・(後略)・・・・≫

 ああ、この6度目の大量絶滅が、昨今の人為的な不穏な足音と重なるのは、悲観的すぎる考えなのでしょう。著者は、こう結びます。
≪これまで「せいめいのれきし」のバトンをつなぐリレーランナーたちが教えてくれた歴史を知る私たちには、何らかの知恵があるはずだと思います。「せいめいのれきし」の読者とは、そんな希望を共有できることを願っています。≫(続く)   

☆写真下、ロンドン 自然史博物館  
   せいめいのれきし12

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