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みんなみすべくきたすべく

われは フランソア・ヴィヨン、學徒成、

ノートルダムj
(承前)
 「ヴィヨン全詩集」(鈴木信太郎訳 岩波文庫)
 さて、ステーヴンソン「その夜の宿」の主人公フランソワ・ヴィヨン。パリ大学の修士で詩人で悪党。ヴィヨン略年表によると、【1463年1月以降、ヴィヨンに対する公正な言及は見出されない。…一般にはこの以後あまり長くは生きていなかったと信じられている。】とあり、最期も不明のような中世の人。

 それで、この「ヴィヨン全詩集」は訳者鈴木信太郎氏が、力を注いで生まれた結晶のようで、巻末の「後記 私のヴィヨン」もさることながら、全体の三分の一以上をしめる「後註」の細かさにも驚かされます。

 この詩集を読んでみると、ヴィヨンが悪たれながら、結局は死を恐れているのが読み取れます。ステーヴンソン「その夜の宿」の老人が諭したようなことから、ついつい離れるものの、深層ではわかっていたはずなのに・・・・と、上面だけの読者にはそう思えます。

 「フランソア・ビヨン形見の歌」40篇「ヴィヨン遺言詩集」190篇近く。もっと、素直に人生を謳歌した詩も作れただろうに・・・

・・・で、「形見の歌」の冒頭です。
≪惟歳(これとし) 四百五十六、   われは フランソア・ヴィヨン、學徒成、   落着き払って 想ふやう、   馬衘(くつばみ)噛んで 一心に、 傍目(わきめ)もふらず、   己が所行を 顧みよう、   羅馬の賢人、大學者 ヴェジェスの書(ふみ)にあるやうに、   然もなくば、身の過ちの因(もと)となる・・・≫
☆写真は、パリ ノートルダム大聖堂 後ろの屋根の上

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