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南海千一夜物語

ダイヤモンドヘッドj
(承前)
 スティーヴンスンは、「空想的な出来事を幼少の頃から考えるのが好きであった」と自らいうくらい(「南海千一夜物語」あとがき掲載「我が処女作」より)、空想的なお話の運びがうまく、なおかつ、その心理描写も優れていると思います。

 そこで、ワクワクしながら読んでみた「ファレサアの濱」・・・
 うーん、あからさまな帝国主義、女性差別、有色民族差別。

 ーー「それはそうと君に奥様を世話しなければならないね。」
・・・・・
ーー「あの娘が綺麗だ」
・・・・・
ーー「あの娘が良い。何という娘」
・・・・・
ーー「うまく行きそうですよ。貴君のものになりそうです。娘の女親と話をつけてみましょう。なあに板煙草でもやれば、どれでもお好み次第の娘が手に入りますよ。」
・・・・・・
・・・・・・
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ーー此處に(結婚證書)其寫しがある。
≪其島の生れにしてファレサアに在住するファヴァオの娘ウマなる者は、非合法的に一週間ヂョン・ウィルトシャ氏に結婚せる事を證明する。該ヂョン・ウィルトシャ氏はいつ何時たりともウマを遺棄する自由を有する。≫

 確かに、100年も前の小説を読んでいると、現代の規範と明らかに違うと思うものがたくさんあって、あるいは、その直接的な言い回しにも、ひっかかるときがあることは事実です。
 が、しかし、大抵は、その話の運びや、構成の妙に、引き込まれ、楽しい読書体験をしますが、これは、さすがにむかつきました。
 ただ、よくわかっていなかった主人公ヂョン・ウィルトシャが、こんなことを恥ずかしいと思い、最後には、ウマがたくましい女性となり、話を引っ張っていくので、ほんの少しは救いがありました。とはいえ、文末にも、しつこく人種差別してるところがあって、やっぱりなぁ・・・と、がっかり。(続く)
*「南海千一夜物語」(スティーヴンスン作 中村徳三郎訳 岩波文庫)
☆写真は、ハワイ オアフ島 ダイヤモンドヘッド (撮影:&Co.Hi)

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