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みんなみすべくきたすべく

イングリッシュブレックファスト

ブレックファストj
(承前)
 「片隅の人生」(サマセット・モーム 天野隆司訳 ちくま文庫)
 この話では、日本人のイメージも興味深いものでしたが、オランダ領東インド諸島の小さなホテルの朝食の描写に、興味深いものがありました。
≪・・・どこのホテルに泊まっても、出てくる朝食は変わらない。パパイヤ、冷肉、エダム・チーズ、そして時間通りに早起きしてもいつも冷たい目玉焼き。・・・(中略)・・・コーヒーは濃縮した液体で、これにネスレのスイス・ミルクとお湯を適当にそそいで出来あがる。トーストはバターもジャムもなく、しけていて、焦げている。これがまたカンダ島のホテルでお客に提供される朝食である。食堂にはオランダ人商館員が何人かいて、これからオフィスに出かけるために、そそくさと黙々と、くだんの料理を食っている。≫
 
 おお、ネスレのインスタントコーヒーの普及は、東インド諸島まで!日本人がからころ下駄履いてお参りしていると思われている頃かぁ。
 が、イギリス人のサマセット・モーム。
 この後に続く、自分自身の召使がベランダに運んできた朝食というのが・・・

≪パパイヤはうまかった。目玉焼きも、フライパンから移したてで、温かくてうまそうだった。芳香のただようお茶をゆっくり味わい、生きていることは楽しくなければならない・・・・≫と対比するのです。

 確かに、イギリスの食事の中で、朝食は美味しい・・・が、最近は、ビュッフェタイプが増えているようです。というのも、過日のロンドン行きのホテル探しの時、イングリッシュブレックファストと銘打っているところより、ブッフェかコンチネンタルと明記しているところが多くて、残念だったことを思い出すからです。

 サマセット・モームがこだわるように、温かい卵料理と温野菜は、イングリッシュブッレクファストの神髄って感じがするけれど・・・それは、単に暖かい食べ物だから?(続く)

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