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ヴァルター・テル

     ピラティウスからj

 「ヴィルヘルム・テル」(シラー作 桜井政隆・桜井国隆訳 岩波文庫)
 (承前)
 シラーの戯曲「ヴィルヘルム・テル」で一番すごかったのは、ヒーローのウィリアム・テルでなく、実悪代官ゲスラーでもなく、彼の息子だと思います。
 そう、林檎を頭に載せたヴァルター・テルです。

≪おじいさん、そんな人でなしに頭を下げることがあるもんか。≫と胸を張り、≪父ちゃんはね、飛んでいる鳥だって射あてるんだぜ。そらして子供の胸にあてることなんかあるもんか。≫と、父親ウィリアム・テルへの絶大な信頼を表明します。

 周りの大人が、この悪業の中止を願うなか、
≪縛りつけるって。嫌だよ、縛りつけるのはごめんだ。僕、小羊のようにじっとして、息を殺しているよ。僕を縛るのはいやだ、我慢が出来るもんか。あばれ放題あばれて、縛らせてやらないぞ。≫

≪なぜ目かくしがいるんだ。父ちゃんの射る矢を僕がこわがると思っているな。僕、じいっと待っている、瞬(まばたき)だってしやしない。ーーさあ父ちゃん、早く名人の腕を見せておやりよ。あの人は父ちゃんの腕を疑って、僕たちを殺す考らしい。—-あの癇癪もちのつらあてに、早く射あてておくれよ。≫・・・・林檎を載せられた息子、手が震える父親ウィリアム・テル。≪父ちゃん、早く射ておくれ。僕こわいことなんかないよ。≫

 で、奇跡的に、矢は林檎に刺さり、ヴァルター・テルは林檎を持って飛んできます。
≪父ちゃん、林檎はこれだよ。--僕 ちゃんと分ってた。父ちゃんが子供に怪我なんかさせやしないってことが。≫

☆写真は、スイス ルチェルン ピラトゥスクルムから、アルプスを望む。下に写る湖はルンゲラー湖 右端には、右からユングフラウ、アイガー、メンヒが写っています。このズームの写真は2016年9月10日の一番下写真➡➡ 

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